愛した人の孤独を分解しようと
接吻を試みる秋の初めに
靴底が薄く濡れることを
人は「悦び」と呼ぶのだそうです
黒髪の
美人が吸ってる赤マルの
煙を吸い込み間接接吻
白線を
踏んで蹌踉る傾国に
「また明日ね」と「また明日ね」と
赤羽の
朝は綺麗な夜だから
夜は色が褪せた朝だから
スカートに
咲いては枯れる白丁花
覗き込むのは実を開くため
「味噌汁の
色はなあに?」と君に聞く
青じゃないのは確かと笑う
「大好き」と
言ってくれたのに今何で
「好き」って泣くの台無しじゃないの
焦げゆく真夜中
口元に香る葡萄の香
身失い方を忘れて
青姦なんかじゃイケないの
だって
唯、空々しいでしょう?
「愛を歌って生きてたいの」
なんて
法螺、馬鹿馬鹿しいでしょう?
彼女から放たれた嘘吐き、という言葉を
私は幾日にも渡って咀嚼し
それに因って溢れた唾液を「詩歌」と名付けることで
自分自身に起こった恋という現象を
片付けようとしたのでした
お昼から雨が降り出すらしいから
もし良かったら結婚してくれ
伝染してゆく葡萄の香
恋文燃やして風呂を焚く
青姦なんかじゃイケないの
だって
唯、空々しいでしょう?
「顔を洗っていらっしゃいよ」
なんて
二度と聞けないんでしょう?
「愛を歌って生きてたいの」
なんて
法螺、馬鹿馬鹿しいでしょう?
「永遠」なんて欲しくないの
だって
お金にならないでしょう?
熱に魘された幼子の様に
涙を流しているあなたの
そのひんやりとした左手を
何時迄もとっていたいと
そう思っていたのです
煙草が切れる迄は
- Lyricist
Kiss,K,Todoroki
- Composer
Kiss,K,Todoroki
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Kiss,K,Todoroki
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Kiss,K,Todoroki
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