

八月の終わりの風はいつも、
少しだけ夜を長く感じさせる。
海沿いの道路を走る車の窓から、
知らない曲が小さく流れていた。
何を約束したわけでもないのに、
ずっと続く気がしていた時間がある。
コンビニの駐車場で笑いながら、
朝まで話していたあの頃みたいに。
終わることを知った瞬間から、
思い出は少しずつ綺麗になっていく。
もう、あの夏には戻れない。
君と見ていた朝焼けも、
花火のあと歩いた川沿いも、
今は季節の向こう側にある。
それでも忘れたいわけじゃなくて、
ただ少し遠くなっただけなんだ。
戻れない時間を抱えながら、
人は大人になっていく。
始発前の静かな駅のホームで、
眠そうに笑っていた横顔とか、
「またね」って手を振ったあとで、
少しだけ振り返ったこととか。
何気ない場面ばかりなのに、
どうしてこんなに残ってるんだろう。
たぶん特別だったのは夏じゃなく、
あの時間の中にいた俺たちだった。
戻れないことが悲しいんじゃなく、
本当にあったことが苦しい。
もう、あの夏には戻れない。
海風の匂いを思い出すたび、
終わらないと思っていた夜が、
ちゃんと終わっていたと知る。
それでも消えてしまわないように、
名前もない感情を抱えている。
あの日見ていた景色の続きを、
今でも心のどこかで探してる。
朝になれば全部戻ると思っていた。
でも、本当に戻れなかったのは、
あの頃の
自分たちだった。
もう、あの夏には戻れない。
君と笑っていた帰り道も、
言えなかった言葉の続きを全部、
季節だけが覚えている。
もう、あの夏には戻れない。
それでも前に進んでいく。
戻れない時間があることを、
きっと“青春”って呼ぶんだろう。
夏の終わりの潮風だけが、
静かに夜を通り過ぎていった。
- Lyricist
YxY
- Composer
YxY
- Producer
YxY
- Vocals
YxY

Listen to We Can Never Go Back to That Summer by YxY
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