madatotyu Front Cover

Lyric

madatotyu

naiyo

僕の背中に

貼り忘れた値札

雨でふやけて

誰にも読めない

口の中には

返品された朝

噛んでも味のない

光が詰まる

駅前の鳩が

首を振るたび

世界のネジが

一本ずつ余る

正しい名前を

もらう前から

僕は僕っぽく

呼ばれてしまった

説明書の

三ページ目だけ

誰かの夢で

濡れている

笑い方だけ

先に届いて

心はまだ

倉庫の奥だ

たぶん僕らは

完成品じゃない

箱だけ綺麗な

生ものだった

賞味期限の

印字がずれて

明日と昨日が

同じ味になる

冷蔵庫には

言えないことが

小さなタッパーで

眠っている

開けると少し

酸っぱい匂い

それでも捨てたら

僕じゃなくなる

君のまぶたに

未送信の雪

降らないままで

白くなっていく

好きでも嫌いでも

足りないままの

変な静けさを

ふたりで吸った

完成予想図を

丸めた夜に

虫の知らせが

カーテンを噛む

僕の未来は

仮留めのまま

歩くたび少し

音が鳴る

ちゃんと生きると

決めた日ほど

靴下の片方が

反対を向いている

誰かの普通に

似せたくなくて

わざと失敗を

残しておいた

たぶん僕らは

終わり損ねた

下書きじゃなくて

まだ消せない線だ

完成なんて

言われた瞬間

呼吸の場所が

なくなる気がした

だからこのまま

歪んだままで

夜の余白に

爪を立てる

綺麗な歌には

ならなくていい

喉の奥で

紙くずが光る

僕はまだ

名前の手前で

君はまだ

涙の向こうで

ふたりぶんの

間違いだけが

やけに正しく

鳴っていた

  • Lyricist

    naiyo

  • Composer

    naiyo

  • Producer

    naiyo

  • Vocals

    naiyo

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