歌詞

（１）斧・弓・槍時代

月明かりも届かない夜に

命をも呑み込む大自然に

先祖は どんなに恐怖しただろう

人がいて 村ができて 他村を殺し

町ができて 国になり 王が統べる

税や法ができ 支配の鎧 纏い

怯えながら武器を研いできた

（２）大砲・火縄銃時代

銀の町 親王軍が侵攻する

腹から引きずり出された胎児は

馬の蹄で圧砕され

妻は犯され 膣に剣を穿たれ

髪を掴まれ 地面を引きずり回される

その どす黒く染みた跡を

のちに「国」「領土」という

（３）炭疽菌・毒ガス時代

リエルの町 文明大改革

医療 通貨 教育 撤廃

王は威厳を守るために

泣くのは嫌がっているからだと殺した

感情は危険思想だと殺した

地雷原 連れ去られたクルオサー

いまだ その行方はわからない

栄養失調 疫病 農場

鉄条網 強制収容 理想郷

その治世で激減した人口

死骸と蠅で黒いダム 水路

少年兵は乳児を奪い

その母の目の前

木にぶつけて殺した

石碑 老婆 祈っていた

あたり一面に咲くプルメリア

（４）自動小銃・ナパーム弾時代

ルブリの町 吹雪の中に

痩せこけた子供がうつろに歌う

暴食王 讃える歌 響く

家族のぬくもりを夢に見る

これ以上 空腹に耐えきれず

とうとうママの死体に

手を伸ばす

（５）枯葉剤・クラスター爆弾時代

ドンの町 奇襲する陸軍 小隊

解放軍 潜伏 疑い

避難壕 破壊 家々焼き払い

M16の先 命乞う市民

妊婦 乳幼児 手榴弾 黄燐

解放軍はひとりもいなかった

町があった

人がいた

暮らしていた

生きていた

（６）劣化ウラン弾時代

すべては変わっていく

星は輝いている

ぼくたちは不完全で 弱くて

いびつで 間違いを繰り返してしまう

君は安らぐように でも悲しそうに

寄り添うように かすかに頬をゆるめる

微笑んでいるようにも

泣いているようにも見える

（７）中性子爆弾時代

すべては変わっていく

星は瞬いている

ぼくたちは変われるだろうか

祈っている どうか

愛する君が いつか

生まれる時代が

心ある時代でありますように

君が いつ どこで生まれようと

たくさんの人と一緒に

ずっと ずっと

幸せでいられますように

何度でも

何度でも祈る