Lyric

ハッシュタグ

教えてください、友達の作り方を

そんな助けを世界に向けて送った

五月の連休明け

クラスから取り残されたボクのスマホに

ネットの海から

無責任な答えが

山のように届いていた

初夏にしては冷たい風が吹いた昼休み

ひとりになれる場所を探していたボクの足が

寂れた校舎裏で止まった

古びた幹にもたれ掛かったボクは

ビニールぶくろから取り出したパンを

ハムスターのようにモソモソとかじった

青い空の下

耳にはめたイヤホンから

だれかの誠実さを歌うウタが聞こえていた

ハッシュタグ

教えてください、友達の作り方を

そんな助けを世界に向けて送った

五月の連休明け

クラスから取り残されたボクのスマホに

なんの助けにもならない言葉が

風よりも冷たく届いていた

存外

世界には暇人が多いらしいと、ボクは思った

授業を終えた教師が出ていった休み時間

寝たふりをしようとしたボクの目が

言い争う声に止まった

教室の片隅からのぞき見る

彼らの生活は思っていたよりも大変そうで

ボクはイヤホンを耳にはめて

現実からの逃避をはかった

青い空の下

世界をなげくウタ歌いの声が

優しく聞こえていた

ハッシュタグ

教えてください、友達の作り方を

そんな助けを世界に向けて送った

五月の連休明け

クラスから取り残されたボクのスマホに

ネットの海から

無責任な答えが

山のように届いていた

ハッシュタグ

教えてください、友達の作り方を

だけど

やっぱりいいです

だって友達のいない方が

存外

気楽に過ごせるから

そんな言葉を

世界に向けて送った

五月の連休明け

青い空の下

イヤホンをはめたボクの耳に

だれかの誠実さを歌うウタが

優しく聞こえていた