THE RAPPERのジャケット写真

歌詞

運命

CHIN-HURTZ

運命って言葉を信じるか?

俺は全てを受け入れるのさ

ゴッサムと曲作るのは必然

これを運命と呼ばずして

「クローバルレコード」

引き合わされるべくして

引き合わされた友

町田THISONEに行けば生まれる音

それが好きすぎて溢れるヤツの鼓動

「やっておきたい事がある」

「ラップ魂で語り合う」

刻ませてくれ、その思い曲となりて

おまえなしライフあり得ないぜ

回想シーンに映るマイメン

KLOVAL FOR LIFE を掲げて

行くとこまで行こうじゃないか

TO BE コンテニュー

かまそうぜFLYOVER

KLOVAL FOR LIFE!

やっておきたい事がある

俺たちの歌を作る

KLOVAL FOR LIFE!

ここに俺たちの生きた証を刻む

俺の歴史は紡がれる

ここにいるもの達と夢焦がれる

食べていくネガティブ

明け暮れるラップ

この時代に食らわしてやる

今も詩を描き仲間に光りを照らす

気持ちが少し晴れたならリラックス

好きな時好きにやる 自分を磨く

行けるとこまで行く、

唯我独尊スタイル

だが気づく!

一人過ぎるとつまらない

旅は道連れ、客演連れてライブ

エースの笑い声が空を切った!

わかるやつにはわかる(FOREVER)

花咲ジジイに憧れる、いつまでも

花ばら撒いていたいぜ 美味い飯

食らいつく フライアウェイ

俺たちのラップ 響いて行け!

KLOVAL FOR LIFE!

やっておきたい事がある

俺たちの歌を作る

KLOVAL FOR LIFE!

ここに俺たちの生きた証を刻む

  • 作詞

    CHIN-HURTZ

  • 作曲

    CHIN-HURTZ

  • プロデューサー

    Gotham

THE RAPPERのジャケット写真

CHIN-HURTZ の“運命”を

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(Recommend by DJ H!ROKi)
 直近5年間ではMETEORとの制作やライブを中心に活動していたCHIN-HURTZが、ソロとしては約3年半ぶりとなるアルバム「THE RAPPER」をリリースした。
CHIN-HURTZはこれまでに「LOST CLASSICS」(2016) と「RESTART」(2019) という2作品を発表しているが、
いずれも彼の音楽活動の変遷において重要な意味を持つ作品である。
「LOST CLASSICS」は、自身の名前を冠したイベント”CHIN-HURTZ PARTY”を主催するなど、最も活発な動きを見せていた2010年前後に制作しながら、訳あってお蔵入りになってしまった楽曲群をコンパイルしたアルバム。
そして「RESTART」は、紆余曲折を経てKLOVAL RECORDSという新たな活動基盤を手に入れ、タイトルのとおり自らの再起を宣言した作品であった。
この2作については、今回のアルバムの最後に収録されている”今だから話そう”でも、本人の言葉で語られている。
そして「THE RAPPER」と名付けられた最新作もまた、彼のキャリアにおいて「特別な意味」を持つ作品となった。
その「特別な意味」をリリックの中から発見し理解することで、リスナーは本作のビターな味わいを深く感じられる作りとなっている。

 1曲目の“プロローグ”において、CHIN-HURTZは戦時下における自分自身の姿を描いている。それもMETEORとの”悪霊退治”シリーズのような荒唐無稽な描写ではなく、現実世界での出来事が反映されたような重苦しい描写だ。
これまでの作品ではポジティブなメッセージの楽曲やリリックが多かったので、過去2作品を聴いたことのあるリスナーは、アルバムの冒頭からCHIN-HURTZに何らかの変化があったことに気が付くだろう。
また、戦時中という設定はアルバム終盤の11曲目”夜明け”にも再び登場する。2曲目から10曲目までは、前2作と同様に仲間やクラブ、ライブや酒といったトピックや、あるいはMETEOR & CHIN-HURTZ名義での作品に見られた空想世界をテーマとした楽曲が続くので、アルバムの中でもこの”プロローグ”と”夜明け”の存在感が際立っている。
アルバム全体の構成から考えても、この2曲には他の楽曲とは違った想いが込められていることは明らかだ。その中でもとくに印象的だったのが、“夜明け”におけるCHIN-HURTZのバースの締め括りとなる次の一節だ。

おっと、もうさすがにやばい 帰るとするよ、外のカオスな社会

それじゃ次はあの日に落ち会おう 話すだけ話した俺を許してくれ

 “夜明け”は、戦時中に仲間とのアジトで深夜から早朝まで語り合う場面を描いた楽曲だ。「外のカオスな社会」とは、楽曲の設定では文字どおりアジトの外に広がっている戦時下の混乱した社会を示しているが、CHIN-HURTZにとっての「カオスな社会」とは一体何なのだろうか。

 ラッパーとして初めてステージに立ってから現在に至る人生の中で、CHIN-HURTZは実に様々な困難に直面してきた。
それらは12曲目の”今だから話そう”で具体的に示されており、また、直近での最も大きな出来事については、6曲目の”徒然”の中で語られている。本作を聴いて、あるいはCHIN-HURTZ本人と接して思うのは、彼がこれらの局面を打開できたのは、ラップすることと仲間の存在の二つが彼の精神的な支柱となっていたからではないか、ということだ。
心の支えを両方とも失ってしまう、あるいはその両方から遠ざかってしまうような環境こそが、彼にとっての「カオスな社会」なのではないかと思う。また、リリックにもあるように、どうやら彼はこれから「外のカオスな社会」に帰っていくようだ。
おそらく、半分は自分の意思、そして半分は現在自分が置かれた状況によって。たとえ自分が心から望んでいなくても、時として厳しい選択を迫られるときがある。そのような人生の不条理さや非情さ、あるいは岐路に立たされている自分の心情を示すものとして、彼は今回のアルバムの中で「戦争」というトピックを選んだのではないだろうか。物語と現実が交錯した、彼ならではの表現力が発揮された楽曲だ。

 CHIN-HURTZはこれから一体どうなるのだろうか。だが、これまでも現実と空想の世界を自由に行き来してきたラッパーなので、心配は無用だろう。あの日に落ち会えるのを楽しみに、まずは「THE RAPPER」を聴こう。

アーティスト情報

KLOVAL RECORDS

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