Lyric

真夜中疲れて部屋に戻ると、窓ガラスの闇に私がうつっている。

右手を振ったら、左手を振る。

首かしげると、反対にかしげ、「よろしく」って顔をする。

もし窓ガラスの5ミリの中に別の世界があって、あの子がこちらを見てるとしたら。

一次元少ない、ウスッペラの写し絵世界。

でも、窓ガラスの向こうには、いつもの街が見える。眠そうな満月が浮かんでる。

思わず笑ってしまった。

真夜中疲れて部屋に戻ると、窓ガラスの闇に私がうつっている。

右ウィンクすると、左ウィンクする。

アカンベェすると、アカンベェ返して、「ふーんだ」って顔をする。

もし窓ガラスの5ミリの中に別の世界があって、あの子がこちらを見てるとしたら。

一次元少ない、ウスッペラの写し絵世界。

でも、窓ガラスの向こうには、いつもの街が見える。車の排気音が鳴り響く。

思わず笑ってしまった。

真夜中疲れて部屋に戻ると、窓ガラスの闇に私がうつっている。

「ごめんね」って言うと、「いいけど」って言った。

踊ってみせたら、シンメトリ踊って「ごきげん！」って顔をした。

もし窓ガラスの5ミリの中に別の世界があって、あの子がこちらを見てるとしたら。

一次元少ない、ウスッペラの写し絵世界。

でも、窓ガラスの向こうには、いつもの街が見える。パトカーのサイレンが消えていく。

思わず笑ってしまった。

真夜中疲れて部屋に戻ると、窓ガラスの闇に私がうつっている。

「どうする？」って聞くと、答えず見返す。

ため息ついたら、深く息を継ぎ何事かつぶやいた。

もし窓ガラスの5ミリの中に別の世界があって、あの子がこちらを見てるとしたら。

一次元少ない、ウスッペラの写し絵世界。

でも、窓ガラスの向こうには、いつもの街が見える。眠そうな満月が浮かんでる。

私は急に窓を開けたくなった。

窓を押しあけたら、あの子は消えてしまった。

そして、どこからか笑う声が聞こえた。