歌詞

手袋に忍ばせた　懐炉《かいろ》さえ冷めてゆく

かまわない

握ってれば　離れはしないから

持ち寄った寂しさを埋め合い　輪が出来るのならば

私は穴でありたい

奈落の底までは　照らされないから

嗚呼　冬が終わろうとしている

誰にもしらせないで

この雪がやむ頃には　あなたはいない

街路樹も衣替え　往き慣れた遊歩道

あの角の喫茶店は　前からあったかな

もみの木のリースで首を吊ろう

あなたのマフラーで息絶えよう

悲しみを越えてまでも

人は　ぬくもりが欲しい

喜びも嬉しさも　辛さも安らぎも痛みも

右片方だけあればいい

ひとりで生きるとは　そういうことなの

嗚呼　冬が終わろうとしている

誰にもしらせないで

初氷《はつごおり》が溶けるまえに　あなたを迎えにゆこう

嗚呼　春を待つ　白《しら》ばむ吐息

冷めゆく熱は彼方

この雪がやむ頃には　あなたも　わたしも　真綿の中