

深い海の底で
口をひらいても
声は泡になって
消えていくだけだった
頭の中が
まるで水の中みたいで
自分の声さえ
遠く聞こえていた
「大丈夫だよ」
その言葉さえ
水面の光みたいに
揺れて届かない
冷たい青の中で
息を探していた
誰かの気配だけ
ぼんやり感じながら
言葉にした言葉も
言葉にならない言葉も
言葉として存在しない言葉をも
誰にも渡せずに
胸の奥へ沈めていた
波は静かに
繰り返している
まだ遠くで
あなたを待ちながら
海から少し離れた
白い岸辺で
私はあなたを
見つめていた
名前を呼べば
壊れてしまいそうで
近づき方さえ
わからなかった
「頑張って」
その言葉が
細いガラスみたいに
傷つける気がした
深く入りすぎれば
溺れてしまう
遠くにいすぎれば
触れることもできない
言葉にした言葉も
言葉にならない言葉も
言葉として存在しない言葉をも
拾いあげるより
隣に置いていたかった
波の呼吸に
耳を澄ませながら
ただあなたの
そばにいたかった
海にも
岸にもなりきれないまま
私たちは
波打ち際へ向かった
濡れた靴のまま
並んで立って
寄せては返す
声を聴いていた
言葉にした言葉も
言葉にならない言葉も
言葉として存在しない言葉をも
波みたいに
並べては揺らしながら
あなたと
ただ聴いていた
理解して
忘れていった
波の音
- 作詞者
Peachos
- 作曲者
Peachos
- プロデューサー
Peachos
- ミキシングエンジニア
Peachos
- マスタリングエンジニア
Peachos
- ボーカル
Peachos
- ソングライター
Peachos
- その他の楽器
Peachos

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波打ち際の言葉
Peachos
アーティスト情報
Peachos
Peachosは、日々の想いや気づきを言葉に書き起こす中で、言葉だけでは届かない感情のニュアンスを音に乗せて表現するアーティストです。 歌を単なるメロディではなく「会話」と捉え、言葉が生まれる以前から人が持っていた感情の伝達手段としての音楽を、そのままの形で表現することを大切にしています。 楽曲の多くは、「心のあり方」に焦点を当てています。 身体が元気であっても、心が弱れば見える世界は狭くなり、行動や選択も制限されてしまう。そんな感覚に向き合いながら、心を自分らしく保つための視点や気づきを音楽として描いています。 悩みや迷いの中で、自分の内側に目を向けたときに、「こんな風に感じてもいいんだ」と思えるような、考え方のエッセンスを共有することも一つのテーマです。 Peachosの音楽は、答えを与えるものではなく、新しい世界の見え方を手渡すもの。 人が持つ「物事を見るためのメガネ」をひとつ増やすように、聴く人それぞれが自分の感覚で世界を捉え直せるきっかけを届けています。 人とは少し違う角度から世界を見てしまうその感覚と、そこから生まれる感情を、音と言葉で表現し続けています。
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