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スロービートのシンセポップに乗せて、「Kernel」は静かに始まり、やがて深い幻想の領域へと聴き手を誘います。男性と女性のボーカルが織りなす二重奏は、対話であり、共鳴であり、ひとつの核(kernel)をめぐる内的探求のよう。言葉の隙間に漂うシンセの揺らぎが、時間の流れを緩やかに歪ませていきます。
後半に差し掛かると、エレクトリックバイオリンが登場し、重厚なシンセ音と絡み合いながら、楽曲はより深い層へと沈降していきます。その響きは、夢と現実の境界を曖昧にし、聴く者の感覚を優しく揺さぶります。終盤では音が溶け合い、ひとつの核が静かに息を引き取るように、幻想的な余韻を残して幕を閉じます。
Nuearzは、日本人アーティスト奥田和宏によるソロプロジェクトです。イギリスのSkam Recordsから「Saturation Point」と「Face Lift」の2枚のアルバムをリリースしています。自身のレーベルLogica et Naturaからは「Last Straw」と「Funny Bone」の2枚のアルバムをリリースしています。また、大阪の新レーベルRemodelによるコンピレーションアルバム「A Sign 2」にも参加しています。Skam RecordsからリリースされるCDは、オリジナル楽曲だけでなく、Chantal MichelとFernando F. Fonsecaという2人の有名アーティストによるデザインでも注目を集めています。 Nuearzの作曲スタイルは、シンセサイザーのプリセットサウンドや音楽サンプルを、その背景にある歴史や文脈から解放し、純粋な音の動きとして再解釈することです。そして、これまで聴いたことのない音を組み合わせることで、楽曲に隠された文脈や歴史の断片を目覚めさせ、さらには新たな文脈の創造へと導いていきます。
Logica et natura