Lyric

灰色の薔薇が　真夜中に咲いて

棘はやさしく　私の名を呼ぶ

眠りの底で　開く瞳には

あなたの影が　血潮のように揺れる

風は古い誓いを　尖塔へ運ぶ

唇はまだ　祈りの形

噛みしめた夜に誓う　棘の指輪

痛みと甘さで　ひとつになって

冷たい心拍　ボドランのように

あなたを数えて　私になる

霧のガラスに　指で描いた輪

消えかけてなお　戻る円環

“戻っておいで”と　灰薔薇は囁く

終わらない夜が　私の故郷

鐘の残響が　骨へ染みこみ

名前の代わりに　影を抱く

噛みしめた夜に誓う　棘の指輪

痛みと甘さで　ひとつになって

低い囁きが　滴る旋律

あなたの血潮で　歌を満たす

星の縫い目を　ほどけば戻る

人だった頃の　薄い夢へ

でも灰薔薇（わたし）は今　夜を選ぶ

あなたと同じ　色で咲くため

噛みしめた夜に誓う　棘の指輪

痛みの蜜まで　最後の一滴

心拍がやむまで　踊り続ける

真夜中の棘で　あなたを呼ぶ

灰薔薇は光らない　闇でこそ燃える

名を捨てた声で　愛を名乗る