歌詞

夜明け前だけ　読むことのできる

禁書の頁を　そっとめくる

灰薔薇という　偽名を消して

素肌の言葉で　あなたを書く

窓はまだ青い　鳥も眠い

余白がひろく　心は狭い

書庫の静けさで　息を整え

あなたの物語　綴り直す

血でなくインクで　愛を残して

朝へ渡せる　形にする

棚のかげから　低い笛音

昨夜の動悸が　また始まる

でももう逃げない　光の中へ

夜の名前ごと　抱き上げる

鍵はここにある　胸の中心

回せば開く　新しい頁

書庫の静けさで　息を整え

あなたの記憶を　言葉に変える

血でなくインクで　愛を残して

朝へ渡せる　形にする

夜が終われば　魔法は消える？

いいえ　違うわ　形を変える

書庫の静けさで　最後の一行

“ここにいるよ”と　人の声で

血でなくインクで　愛を残して

夜と朝との　境目で吻（くちづけ）

低いオルガンが　うすく微笑む