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GreatPerson.tune vol.01

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GreatPerson.tune は、歴史や文化をつくった人物を “音の肖像=Unauthorized Sound Portrait(無許可肖像音響化)” として再構築する音響シリーズです。
視覚から切り離された人物像を、耳だけで描き直すことはできるのか――その問いを起点に、スポンジ バンッ バンッ(主宰:安藤コウ)が新たに始動させたプロジェクトです。

肖像画でも、伝記でも、映像でもない。
このシリーズは、音だけが持つ “人格への直感的アクセス” を用いて、各人物の行動・思想・世界観を「音のレイヤー」で可視化(可聴化)します。
音は文章よりも静かに、写真よりも深く、その人の“気配”を伝える。
その仮説を確かめるための実験として、GreatPerson.tune は制作されています。

■ シリーズについて:3名の偉人を描く「第一期・三部作」

vol.01 では、
宮沢賢治/蔦屋重三郎/ニコラ・テスラ
という、時代も領域も異なる三名を“音響肖像”として描きました。

三者三様の世界を持ちながら、

自然 → 都市 → 未来

祈り → 仕掛け → 閃き
というひとつの時間軸として聴くこともできる、三部作構成になっています。

本シリーズの設計思想の核には、スポンジ バンッ バンッが開発する独自手法
象徴音®(Shōchō-on) があります。
象徴音®は、

機能的価値 × 機能音(その人が“何をしたか”)

情緒的価値 × 情緒音(その人が“どう生きたか”)
という二層構造へと人物を分解し、それに呼応するフィールド音・人工音を収集・加工・再構築することで、視覚や文章では伝わらない“存在の輪郭”を耳から立ち上げる方法論です。

■ 1|KenjiMiyazawa.tune(宮沢賢治)

— 雪と土と銀河を往復する、“音の賢治論” —

農業、教育、創作、フィールドワーク、自然観察、宇宙への想像力――
宮沢賢治の行動と心象を、音として分解・再構築した60秒の肖像です。

《使用されている主な音》
雪を踏む足音/筆記音/紙をめくる音/鍬の音/石を叩く音/虫声(グリッチ加工)/遠雷/冬の風/川のせせらぎ

構成は
Observation(静謐)→ Immersion(没入)→ Deviation(逸脱)→ Disassembly(解体)。
現実音が物語的な音へと変化し、最後には崩壊する。
そしてすべてが静まり返ったあと、一度だけ「カチッ」と筆記音が鳴ります。
それは“創作の核”が耳の奥に灯る瞬間であり、もうひとりの賢治と出会うための小さな合図です。

■ 2|JuzaburoTsutaya.tune(蔦屋重三郎)

— 江戸に渦巻く賑わいと企みを、都市ビートで再構築 —

出版、流通、遊里文化、アート支援。
江戸のカルチャーを動かした編集者・蔦屋重三郎の多面的な役割を、“都市のリズム”として描いた作品です。

《使用されている主な音》
版木を刷る音/紙を裁断する音/三味線/江戸の雑踏/笑い声/火打石/祭囃子/駕籠の走る音

構成は
Chic(粋)→ Bustle(賑わい)→ Provocation(挑発)→ Transformation(変容)。
木版現場の熱、遊里の粋、文化の混沌、権力への反骨。
それらがビートとして混ざり合い、最後にはノイズの奔流へと姿を変えます。
すべてが崩れ落ちたあとに一度だけ残る「トン」という乾いた木版音は、宴の終わりであると同時に、“新しい文化の火種”でもあります。

■ 3|NikolaTesla.tune(ニコラ・テスラ)

— 科学と神話の境界がひび割れる、“電気の幻想曲” —

精密な実験、孤独、ショーマンシップ、未来へのビジョン。
テスラの魅力と危うさを、ラボ音と電子ノイズで構築した60秒の電気的肖像です。

《使用されている主な音》
金属の微細音/高圧放電/タイプライター/観客のどよめき/夜風の低周波/金属共鳴音/電源断の音/電子ノイズ

構成は
Experiment(実験)→ Tension(緊張)→ Chaos(崩壊)→ Afterimage(残像)。
実験音がリズムになり、やがてノイズへと崩れ、最後は未来的な残響だけが残る。
ラスト1秒の“暗闇(無音)”のあと鳴る「バチッ」。
その閃光のような一音は、天才の孤独な脳裏に焼き付いた“閃きの残像”を象徴しています。

■ 手法:象徴音®とは何か

象徴音®は、スポンジ バンッ バンッが開発する “聴覚のアイデンティティ設計” 手法です。
人物や土地、ブランドなどの“機能的価値(行動・役割)”と“情緒的価値(思想・世界観)”を分析し、
それに対応する実音・環境音・人工音を収集・加工・再構築することで、
視覚では伝えきれない“存在の気配”を耳で届けることを目的としています。

GreatPerson.tune は、象徴音®を人物表現に最適化した実験シリーズであり、
音を通じて「その人が何を成し遂げ、どのように生き、何を見ていたのか」を描くための新しい肖像文化を目指しています。

■ プロジェクトのこれから

本シリーズは「開かれた活動」として継続していきます。
今後は、文化人、地域の象徴、ブランド創業者、架空の人物、個人史など、
“音で描くべき存在”を幅広く扱っていく予定です。

また、アーティスト、フィールドレコーダー、研究者、メディアアーティストとの共創にも開かれており、
企業・自治体・ミュージアムとの共同制作や音展示、教育プログラムなど、
新しい「音の肖像文化」を社会へ普及させることを目指します。

■ 最後に
GreatPerson.tune は、
“視覚を消し、音だけで人格を描く”
という挑戦です。

そこに浮かぶのは、歴史の端に置かれた記号としての「偉人」ではなく、
雪を踏み、木版を打ち、電流を操った“ひとりの人間”の気配です。

耳を澄ますことで、
私たちはもう一度、文化の根源に触れ直すことができるのかもしれません。

アーティスト情報

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    CREATIVE SAMPLING COLLECTIVE『スポンジ バンッ バンッ』 元BRANDED AUDIO STORAGE『SOUNDS GOOD』主宰の安藤コウが、2023年6月から立ち上げた、コミュニケーション課題を“音”を活用し、解決するクリエイティブ・サンプリング・コレクティブ。楽曲、ポッドキャスト、MVなど“音”を中心にしたアウトプットはもちろんのことながら、企業(ブランド)や地域、人など、具体的な存在の個性を表現できる“象徴音®”を定義し、そこからサウンドロゴやBGMなどを制作することで、具体的な存在の価値を最大化する独自のアプローチも持つ。さらに課題解決の質を高めるため、アーティスト、デザイナー、カメラマン、映像監督などプロジェクト毎に最適な人々のアサインも行う。

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