病と視点のジャケット写真

歌詞

雨と爆弾

新田かえる

雨はいつかあがるからさ

傘はささなくていいや

バイト先 怒号の嵐で

すでにずぶ濡れなんだわ

21世紀初頭の

憂鬱の掃き溜めみたいな

街角のバス停の陰で

トンボと晴れを待ってる

そういえばロッカーの中に

財布を置いてきたかなあ

飲み込んだ言葉の重力で

動くことができない

ずぶ濡れになったトンボも

動かなくなっていた

それを叩いている雨は

まだ止まないようだ

ムカつくやつらは

消えてくれと願った

僕もそれを願われてる

最悪な地面の上で

世界を変えることはできない僕の

精一杯の反撃だ

バスの時刻表の隅に

マジックで爆弾を描いた

夜はいつか明けるならさ

それまで寝ててもいいかな

闇雲に増えたビルが

月すら隠しているわ

21世紀電脳の

画面越しも闇夜みたいで

互いの顔も見えないから

刺し合いも厭わない

これだけ長い暗闇なら

夜目も効きそうなもんだが

一寸先は杳として

見通しは立たない

いつか朝日が照らし出す

景色はどんなかなあ

きらりと光ったナイフは

僕の手か僕の胸か

ムカつくやつらは

消えてくれと願った

ちゃちな癇癪を巻き込んで

俗世のニュース押し寄せた

未来には名前も残らない僕の

精一杯の反撃だ

ビルの屋上の隅に

サイリウムの花束をさした

ムカつくやつらは

消えてくれと願った

僕が一番消えるべきだ

それなのに未来に行かなきゃ

消えてしまっても気づかれない僕の

精一杯の反撃だ

宇宙の隅の隅に

マジックで名前を書いた

  • 作詞

    新田かえる

  • 作曲

    新田かえる

病と視点のジャケット写真

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新田かえるの2ndアルバムです。

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