monochromeのジャケット写真

歌詞

Frogman

きのうの整備票 角だけ少しほつれて

白い欄のすきまに 言い訳がにじむ

正しさの温度は いつも指を冷やして

混ぜない二色のカップが 机で曇る

街灯はモノクロ 雨粒は16分

呼吸のクリックで 歩幅を削る

“帰る/帰れない”のスラッシュが光って

選ばない選択だけが 既定路線

直せない継ぎ目 見ないふりのメンテ

大丈夫のスタンプ 既読で薄くなる

名前を呼べば 輪郭が欠ける

それでもここに 置いてく言葉

混ざらないまま となりに立って

灰色の手触りで 今を撫でて

正解よりも 今夜の体温

白でも黒でもない 間で息をする

刃こぼれのメモ 削れたキートップ

反射で見えた顔は やさしさの影

失くしたフレームに 残像だけ灯り

“選ぶ”じゃなくて “置く”を重ねる

ゴミ箱のそばで スマホの震えが止む

通話のはじまり方も 終わり方も忘れた

沈黙の長さだけが 僕らの単位で

秒針よりも無感情に 夜が進行

ほどけない結び目 無音の点検

無事のふりした通知が 胸で鳴り止む

呼吸を合わせて ひとつ短く吸う

それだけでまだ ここにいられる

混ざらないまま となりに立って

灰色の手触りで 今を撫でて

正解よりも 今夜の体温

白でも黒でもない 間で息をする

光と影の境界線 踏み越えなくていい

黒を白にしない 白を黒にしない

あなたと私のあいだに 薄いフィルムを一枚

破らず重ねたまま それでも手は近い

混ざらないまま となりに立って

灰色の手触りで 今を撫でて

正解よりも 今夜の体温

白でも黒でもない 間で息をする

混ざらないまま あなたと立って

擦れた写真みたいに 夜を撫でて

答えじゃなくて 呼吸を分けよう

白でも黒でもない 間で息をする

フィルムが止まる音 指先で確かめる

“混ざらない”のまま ここにいる

  • 作詞者

    Frogman

  • 作曲者

    Frogman

  • プロデューサー

    Frogman

  • ボーカル

    Frogman

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Frogman の“灰”を

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フルアルバム第2作「monochrome」。テーマはただ一つ——“灰色の世界に疲れたら聴いて。”
派手さより、長く効く余韻を。感情の粒立ちを邪魔しないダイナミクス、深すぎないリバーブ、少しざらつくテクスチャ。夜更けの独白や帰り道の足音、窓を打つ雨、信号待ちの無音——そんな日常のモノクロに、淡いハイライトを描くように作り込みました。
「灰-kai-」で始まる微かな痛みは、「Quiet Lantern」「灯り」で柔らかく解かれ、「GlitchTheNight」で揺れる心拍は、「雨音シンクロ」や「空っぽ交差点」で静かに水平を取り戻す。
そして「エンドロールは土砂降りで」へ。滲む文字の先に、「放課後アクアリウム」「またねの合図」が置くのは、別れの手前にあるやさしさです。
色を失ったような日でも、音はまだ温度を持てる。そんな信頼で束ねた一枚が「monochrome」です。

アーティスト情報

Frogman Sounds

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