Lyric

薄黒い雲をながめ

どうやらひと雨来そうだと

古ぼけた傘ひとつ

ほかに要るものなんてないから

あの茶屋の店先に立ってたはずの君は

海越え 山越え どこまで

はるか向こうへ

汽車に乗りとなり町へ

大きな駅舎の改札

くたびれた外套で

切符差し出す所作はシーマイナー

祭りの囃子も (Chase the moon)

遠くなりぬ (Chase the moon)

かじかんだ手を (Chase the moon)

吐息で溶かして

うそ寒い街の空気

そろそろ雪が降りそうだが

古ぼけた鞄ひとつ

ほかに要るものなんてないから

大陸行の船に

夜空を仰いだぼくの目に

嗚呼

十億の灯と一つの月が待つ