

遠い北の街で
雪の音を聴いていた
白い鍵盤の向こうに
まだ見えない明日があった
いくつもの音を覚えて
いくつもの夢を抱いて
世界へ続く扉を
この手で開いてきた
だけど人生は
楽譜のようには進まない
守りたいものが増えるたび
音は遠くなっていった
誰かの拍手が聞こえるたび
嬉しいはずなのに
胸の奥で小さく
私の時間だけ
止まっている気がした
百合の花よ
もう一度咲いて
風に揺れても
雨に打たれても
咲けなかった季節まで
失くしたわけじゃない
あの日しまった夢は
まだここにある
百合の花よ
あなたの場所で咲いて
誰かと同じ速さじゃなくていい
遠回りした年月も
あなたの音になる
人生は何度でも
ステージへ戻れる
小さな腕を抱きながら
眠る横顔を見ていた
ピアノに触れれば目を覚ます
そんな夜もあった
母でいることを選んだ日々
幸せだった
それは嘘じゃない
それでも胸のどこかで
鍵盤の上を走る指を
ずっと忘れられなかった
「もう一度 弾きたい」
その気持ちだけが
消えずに残っていた
完璧な日なんて
いつまで待っても来ない
だったら今の私で
小さな場所から
始めればいい
百合の花よ
もう一度咲いて
よっつの命を抱きしめながら
あなたはあなたでいていい
母だからと
夢を閉じなくていい
あなたが
笑って 弾く姿を
いつか子どもたちも
誇りに変えてゆく
百合の花よ
あなたの場所で咲いて
都会じゃなくても
遠く離れていても
音楽を待っている人は
きっとどこかにいる
一つの音から
また未来は始まる
サンクトペテルブルクの雪も
日本の空も
遠く離れて見えるけれど
全部ひとつの人生
止まった時間なんて
本当はなかった
子どもを抱いたその腕も
鍵盤をたたくその指も
どちらも
あなたの手だから
もう遅いなんて
誰が決めたの
ブランクなんて
誰が決めたの
まだ弾きたいなら
まだ届けたいなら
そこからが
次の一小節
百合の花よ
何度でも咲いて
誰にも見えなかった季節を越えて
取り戻すんじゃない
続きから始めるんだ
あの日までの私も
今日の私も連れて
百合の花よ
ステージで咲いて
あなたを待っていた
人たちの前で
夢は若い日のためだけに
あるものじゃない
母になっても
遠く離れても
季節が過ぎても
音楽は
あなたを忘れない
そしてあなたも
音楽を忘れなかった
白い鍵盤に
そっと指を置く
一音だけで
世界が戻ってくる
百合の花が
風に揺れている
今度はもう
咲くことを
ためらわない
- 作詞者
cigel
- 作曲者
cigel
- プロデューサー
cigel
- グラフィックデザイン
cigel
- ソングライター
cigel
- プログラミング
cigel

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百合の花
cigel
『百合の花』は、
長い時間を越えて、
もう一度自分の大切なものと向き合う女性を描いた
クラシカル・クロスオーバー・バラード。
人生には、夢から離れる季節がある。
誰かを愛し、守り、日々を生きるなかで、
かつて大切だったものを心の奥へしまうこともある。
けれど、その時間は決して空白ではない。
過ぎてきた日々も、迷った時間も、
誰かのために生きた年月も、
すべてが今の自分をつくっている。
風に揺れながらも凛と咲く百合の花に、
その生き方を重ねた一曲。
静かなグランドピアノから始まり、
弦楽器とオーケストラへと広がる音楽とともに、
止まっていたように見えた時間が、
再び動き始める。
取り戻すのではなく、続きから始める。
そして、
ずっと心の中にあったものは、
こちらが忘れない限り、
きっと自分のことも忘れてはいない。
アーティスト情報
cigel
cigel Re-Soul Music Projectを主宰する 名古屋発の音楽クリエイター。 AIと人間の感性を掛け合わせながら、 ジャンルにとらわれない音楽を制作しています。 人生、仕事、恋愛、家族、挑戦、挫折、再出発。 誰かの人生にある物語や、 その瞬間に生まれた感情を受け取り、 ひとつひとつ音楽にしています。 そうして生まれた作品は100曲以上。 同じ人生がひとつとしてないように、 生まれる音楽もひとつとして同じではありません。 100曲以上ある作品のタイトルを眺めながら、 今のあなたに刺さる一曲を探してみてください。 思いがけず、 「今の自分」に出会えるかもしれません。 そして、もし見つからなかったら—— 次は、あなたに刺さる一曲を一緒に作りましょう。 音楽だけでなく、 AIを活用したミュージックビデオや映像表現にも取り組み、 音楽から映像へ、物語から作品へ、 新しい表現の可能性を追求しています。 Move Your Life. Move Your Soul.
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