ユリイカのジャケット写真

歌詞

ユリイカ

98

駄菓子屋、軒先に少女の影は二つ

口に放るアイスキャンディー

碧い空みたいな味がした

踏切、廃線になった

線路の先はきっと

遥かとうの昔に置いてきた

将来像が居る

深く吸い込んだ夏草の匂いを

言葉にもできなくて

いつまでも吐き出せなくて

息が詰まっていた

この胸の奥に蹲っていた

透明な感情が

揺らいだ淡い群青の色に

もう塗り潰されていく

いつか君が大人になってしまう前に

こっちを見て気付いてよ、ねえ

あの入道雲に負けないくらい

肥大した思いを

か細い指先に触れた頬が熱を孕んで

今にも崩れそうに

眩む躰が夏めくようだ

何もかも全部

壊してしまえばいいと思った

書きかけの手紙も愛の歌も

微笑も偽善も

きっと一生こんな心臓の痛みを

抱えて生きて

亡霊みたいに君の姿が、

白昼夢の中、

向かいのホームに立ち尽くす

耳鳴りに音を失って十秒、

笑う君に咽ぶ

いつか君が遠くに行ってしまう前に

たったひとつ癒えない傷を、

そんな我侭ばかり

この胸の奥に蹲っていた

透明な感情が

篠突く雨に溢れ出して

セーラー服の君を濡らす

ずっと君が大人になって

しまわないように繋いだ手を解いて

引き裂いていくあの群青が憎らしい

このままじゃきっと

言い出せないユリイカ

  • 作詞

    98

  • 作曲

    98

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    ユリイカ

    98

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