夏の声が耳に残る
あの日のように変わらないままで
向葵の香り
紡いだ一音は
変わらぬ想いをのせた
祈り詩
誰もが風のように
僕を遠ざけてゆく
強さを求めた
過去の痛みも
忘れてしまうほどに
君が笑ってというから
僕は笑えていたんだ
砕けた心が
散らからぬように
繋いでくれていたのに
夏の声が耳に残る
あの日のように儚い響きで
朱殷(あかい) 陽炎
夜闇に溶けた
奏でた想いを繋いだ
秋の彩
戻れなくなるほどに
強がることが増えた
迷路のような答えのない日々
正しく歩けなくて
いつものように笑ってた
君が不意に背を向けた
水面に映るその泣き顔に
戸惑ってしまったんだ
夏の声が耳に残る
あの日のように悲しい響きで
御空色の靄に溶けてく
奏でた想いを嘆いた
別れの歌
選べぬ道でもがいていた
明日にも消えそうな命を
美しいあの季節を
たった一時
それでも確かに
僕らは息をしていた
夏の声が耳に残る
月夜に揺れる命の灯
花火のように弾けて消えた
誰も知らないうちに
秋の風が遥か遠く
またねと微笑む
君を連れ去る
絹の裾と髪の靡きを
僕は静かにみてた
頬に伝う涙隠した
零れぬようにその手を掴んで
添える指先
戻らぬ色は
凍てつく夜に止まった
僕を残して
- Lyricist
KotoHa
- Composer
KotoHa
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utakata
KotoHa
小説家シンガーソングライター詩葉が
第三章【白夜の祈り】の挿入歌として
書き下ろした楽曲。
章三章の鍵となる向葵(むぎ)と一音(いと)の
儚くも切なる願いや想い合う心を歌った
壮大なバラード。
作中に登場する一音が奏でる旋律を表現した
メロディも聴きどころです。
Artist Profile
KotoHa
執筆活動をしながら自身の世界観を表現した小説作品の挿入歌、劇中歌を作詞作曲し歌い活動をしている。
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