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歌詞

先攻後攻

WAKABA

何で同じ音楽を愛した者同士が争うのか?

名前呼ばれる直前舞台袖の疑問点

己奮い立たせてぎゅっと拳を握る

「先攻後攻」

ラップにはdisるって言葉があって

それは“dis”respectの略だって

世の中的にはよく言われているんだけれど

音楽における“dis”は“This” is respect

あまりに真っ直ぐな敬意は

時に曲がってすら見える

「バトルと音源の違いって何ですか?」

たまに聞かれる

芸人さんの「バラエティと舞台みたいなもん」と答える

根底は何も変わらず良いラップを届けたい

その日の出演者vsお客さんの勝負

とは言え目の前に相手がいる以上は対戦

なんでバトルが言葉の殴り合いって

言われるか知ってる?

グローブもマウスピースもヘッドギアも無い

状態でパンチラインを喰らった時には

脳ミソが揺れる

基本的に1人8小節2ターンもしくは3ターン

ベテランから初挑戦までが平等に戦う

ステージ上がる緊張後ろ鳴り響くビート

優勝すればたった1日でなれるヒーロー

俺は本戦より予選の方が好み

上手い人も下手な人も

本気で勝ちに来ているから

この前地方の子がバトルで東京に出てきて

2000円を握りしめながらクラブの前に立ってた

結果から言うとその子は

1回戦負けだったんだけれど

負けた後も鋭い眼光でステージ捉え離さない

ガキのままで大人になる人は沢山いるけれど

子供の目のままの大人ほど素敵なものは無い

たまにバトルだけしてる

ラッパーをdisる人がいるけれど

それは半分正解で半分は間違いだと思う

Liveもバトルもずっと最前列で眺めるいると

2つがぴったりと重なる瞬間が必ずあって

「フェイクリスナー」と大声で叫ぶ彼は

自分の自信の無さを必死に

掻き消そうとしているだけだ

俺の事を呼ばないオーガナイザーは全員クソだ

でも実力が伴わないうちはそれも嘘だ

バトルを辞めた人の多くはとても真面目で

真摯に音楽と向き合っている

優しい人達ばかりなんだ

自分との戦いは時に心疲れる事がある

「不健康な事してんなあ」と常々思う

お客さんは好きな物を好きと言えば良いだから

ほとんどは一発屋にもなれずその生涯を終える

「ネタ」「色物」「キャラ」

「アングラ」「有名人」何でも来い

俺のベスト尽くし叩きのめすそれが礼儀

めちゃくちゃおこがましいのは

百も承知だけれど

俺はLive battleのbookingは全部断っている

評価されるのが怖いんじゃなく

評価せざるを得ない人の前でLiveしたくない

というプライド

ステージに埋まっているのは

粉々になったプライドだったり

砕け散った志や光る夢の欠片だ

それら全てに敬意払い背伸びせずに踏みつける

勝敗を超えた先の優勝を目指して

  • 作詞

    影賭

  • 作曲

    ヒラテマリノ

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