朝ぼらけの夢追い人よ
今は昔のおとぎ話
蝉時雨の林の中を
今しがた走り抜けてきた
まどろんで見た紅い海
そこで溺れる1人の少女
慌てて手を出そうとする僕に
「行ってはならぬ」と制する声
その主は白髪の老婆
哀れむようにこっちを見て
「歯痒さに身を震わすがいい」と
項垂れて粛々囁いた
砂浜で死んだ蒼く散った
心すんなりと
揺れる陽炎は冷めて消えた
酷くげんなりと
今更意味はない行き違いの回り道
線香花火が記憶の狭間に落ちる
烈日が誘う喉の渇き
灼熱に流れる汗を拭き
潮に飲まれる彼女の叫び
何もできぬと僕は咽び
それでいいのか?
砂浜で死んだはずだった
心ぼんやりと
消えた陽炎がまた立ち昇った
儚きホログラム
機械仕掛けの日々からの
賢きエスケープ
虚構だとしても命がけで
猛ってダイブ
理屈で語れない煮えたぎる胸の奥
ぞんざいな意志は入道雲に吸われる
- 作詞
藤原晃大
- 作曲
藤原晃大
伍乃煩悩 の“奇妙な炎節”を
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