世迷窟

闇バイトに手を染めた瞬間、少女の〈日常〉〈現実感〉〈理想〉は音を立てて遠のいた。
背負いきれない罪や後悔、不安を紛らわせるために、諦観と拒絶、自傷、そして現実からの解脱へと傾く。
幸せだった過去に否定された彼女は、幸福そのものを呪う怨嗟を胸に育てる。
脳裏から消えないかつての日々を思い出しては叫び、涙しても、一度堕ちた世界からは決して抜け出せないことを悟り、少女は世迷窟へ消えていく──