

真夜中の三時 止まった秒針
グラスの水面も 息をひそめてる
世界からひとり 切り取られたような
深すぎる静寂が 耳に張り付いた
振り返ればいつも つまずいてばかりの道だった
晴れ間を探すことにも疲れて 見上げた空はいつも曇ってた
叶わなかった約束が 色褪せた設計図が
心の引き出しの奥で 重たい埃をかぶってた
「きっとこの先も変わらない」と 諦めが囁く声
もう振り払う力さえなくて ただ目を閉じた
なのにどうしてだろう こんな夜の底で
震える指が ペンを求めていた
初めて作った歌は 誰も知らない歌
夜明け前の空気みたいに ひそやかで冷たい歌
届かなくていい 聴かれなくていい
ただ僕が僕であるために ここに生まれた証
暗闇でまたたく星のように
消えそうな光でも それでよかった
ホコリを拭ったギターは 少しだけ悲しい音がした
忘れたコードを辿りながら 不器用な指が弦を弾いた
飾る言葉も見つからずに ありふれた単語を並べた
でも嘘はひとつもなかった 初めてそう思えたんだ
「上手くやれ」と急かす世界の ボリュームをそっと絞って
僕のこの部屋だけが宇宙だった やっと自分の音が見つかった
それは昔転んだ時にできた 消えない傷跡を
優しくなぞるようなメロディーだった
初めて作った歌は 誰も知らない歌
窓に残る朝露のように 世界が気づかぬ歌
わからなくていい 愛されなくていい
ただ僕が息をしていた その体温の証
誰のためでもないこの響き
僕だけのものだって それでよかった
喝采もアンコールもいらない
誰かの正解じゃなくていい
声にならなかった叫びが
息をできなかった想いが
たったひとつ形になったこと
それが、昨日までの僕を抱きしめた
初めて作った歌は 今、僕が聴いてる歌
部屋に射す光みたいに 少しだけ温かい歌
届かなくてもいい 聴かれなくてもいい
ただ僕が僕でいることを 許してあげられる歌
夜明けの空に溶けて消えても
この胸に響いてる それでいいんだ
歌は終わる
静寂が戻る
でも、確かな熱がここに残ってる
白んでいく窓の外
新しい今日が始まる
その残響だけで、もう、歩き出せる
- Lyricist
NOBU-TA
- Composer
NOBU-TA
- Mixing Engineer
SUNO AI
- Vocals
SUNO AI

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YOAKE NO ZANNZOU
NOBU-TA