PEA

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坂本龍一、ユザーン、川田十夢(AR三兄弟)らも賞賛する才能「ネオ渋谷系」メタポッププロジェクト Frasco、恋愛ホルモンについて歌った楽曲PEAを配信リリース 。

メタポッププロジェクトFrascoが“PEA”をリリース。三ヶ月連続リリースの第二弾として配信される本作は、前作に続きChildisc出身、インディーズエレクトロ界の重鎮suppa micro pamchopp(http://su ppasuppa.web.fc2.com/)をサウンドプロデューサーに、東京のアンビエントシーン等で活躍する音楽家kentaro nagata(http://kentaronagata.jp)をマスタリングエンジニアとして迎え作られた。

人が恋をすると脳内で分泌されるというホルモン『フェネチルアミン:PEA(ピーイーエー)』をテーマに制作された。アップテンポな ビートにソフトなボーカルの乗った異質な恋愛ソングとなっている。

3月から5月にかけ毎月1曲ずつ楽曲を配信リリースしているFrasco、前作に続き今作でもVoの峰らるがデザイン等のアートワークを担当している。

Frasco (http://frascotts.com/)は、2015年5月にタカノシンヤ(曲・企画)と峰らる(歌・デザイ ン)の2人によって結成。 2017年1月18日に配信限定でリリースされた楽曲“Theatre"は川田十夢の熱烈なオファーによ り、川田を含むAR三兄弟がプロデュースした六本木ヒルズ展望台「星にタッチパネル劇場」の主 題歌に採用。

同イベントは、映画『君の名は。』とのコラボレーションなども話題を呼び、開始2か月 経過を待たずに15万人の動員を達成。大好評を博したその企画により、主題歌のみならず、効果 音演出などを手がけたFrascoはファンを拡大。

Sportify「Viral 50チャート」(プラットフォームでの再生数やリスナーたちのシェア数が分析されてラ ンキングされたもの)日本版DAYLYでJamiroquaiに次ぐ4位に入るなどスマッシュヒットを達成した。他にも坂本龍一、ユザーンらの賞賛を受けたことをはじめ、その才能を高く評価する音楽業界関係者は多い。

作詞と作曲を手がけるタカノシンヤは、POP でキャッチーなメロディーに、「マジックリアリズム」をテーマとした現実と非現実 とのミックス 感に溢れた歌詞を乗せている。

温かみのあるサウンドにボーカル峰らるのフラットな歌声が豊かに混ざり合い、曲に奥行きを与えている。

ライブを見たファンからは、いわゆる「渋谷系」の系譜を辿るポップスであるとの声も上がる。女性ボーカルと男性メンバーという構成は pizzicato fiveを彷彿とさせる。

ただし、渋谷系アーティスト-例えば、pizzicato fiveの小西康陽や渋谷系の最重要アーティストである フリッパーズ・ギターの小沢健二、や小山田圭吾(コーネリアス)-らが、過去の音楽を「自覚的に」参照・引用し、再構築して新たな音楽 を作り出していたのとは対照的に、Frascoのタカノシンヤは、自身の音楽的バックボーンを「無自覚に」発揮し、曲を生み出しているのが 特徴である。

タカノが、2015年5月に結成したFrascoで初めて、作詞・作曲等の楽曲制作を手がけるようになったことからも窺い知れる だろう。

Frascoの音楽は、「ネオ渋谷系」とも言うべき音楽であり、1990年代の渋谷系の音楽との相似性を感じながらも、2017年現在に アップデートされた音楽である。

この30年間の間に、インターネットが普及し、SNSの台頭により、未曽有の情報化時代に突入した。「フェイクニュース」が飛び交う現在 は、より本質的なものが求められている。

高級なブランドネームのついたフランスワインを楽しむことが当たり前だったバブリーな時代 から、生産者の顔が見えるオーガニックワインを味わうような地に足のついた楽しみを見出す時代に変わった。

そんな2017年、軽妙で 洒脱でありながら、有機的で心地よい本物のポップミュージックを生み出すFrascoは、益々多くの人を魅了していくだろう。

文章 毛利 信之

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