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忘れえぬ恋を。
宵待草ノ唄に。
Lyric
暮れ泥む街路 鈴の音ひとつ
黄昏へ溶けゆく影法師
あな憎し あな恋しと
胸裏秘めし言霊朽ちずとも
紅き硝子 月を映して
憂き身をひと匙 溶かしませう
戯れならば いっそ見事
欺いてくだされ 終うまで
咲いて散るなら花のよう
燃えて消ゆる灯のよう
うつつも夢も綯い交ぜに
今宵を罪と呼ぶがよい
「さらば」と申せど口ずさみ
心はとうに囚われて
千代八千代の夜を越え
汝へ還りゆくばかり
薄墨の空へ燕は消えて
残されし星 泣き笑ふ
袖擦る縁 数えながら
独り盃 干し候
浮世絵めく灯りの下
虚飾ばかりが艶めいて
冷えた夜風を掴むのみ
欺いてくだされ 終うまで
壊れてしまえ玻璃細工
触れれば痛む恋なれば
白き吐息 願いを混ぜて
誰にも告げず沈めませう
「忘れよ」と仰せになれど
忘るる術など持ちませぬ
雨音ばかり数えては
朝を拒みて瞼閉づ
あやにくの運命とて
恨むほど愚かではなし
されど汝を添ふことは
天地の色を失ふに似たり
花鳥風月 移ろへども
恋のみ未だ朽ち果てず
宵の帳へ身を預け
我が名さえ置き忘れませう
霞む都 鐘鳴れば
泡沫の夢も終いを告ぐ
袖に残れる香りだけ
唯一抱き候