Lyric

さあさあみなさまお立ち会い

今日も取り付く紙しばい

今度の話は幻想の

中に彷徨う狐憑き

語り手みんなに釘を刺す

やつは油断した者に憑く

呪いにかかったら最期

狂ったように踊って死ぬ

そんな馬鹿な！はははっ

んなことあるか！はははっ

誰一人と 彼の

話を信じていない様子

たかが妖怪ならば

気にしたら負けだろなっ！

「気をつけなされ」と言い放った

彼はどこかにやついていた

猫も杓子もひとっこひとり

彼の言葉には傾けない

物語の意味も知らずに

ホラ話だって笑ってる

さあさあおいでよ手のなる方へと

進んだ先にある未来

鏡に映ったその姿

果たして人間か悪魔か

今日も語り手やって来て

変わらず取り付く紙しばい

ある人馬鹿けたと言わんばかり

ちぎって全部ぶち撒けたり

途端に街を覆い尽くした

前古未曾有の大災害

するとあの人もこの人も

人であり人で亡くなった

散々恐れ慄き戸惑った

厚顔無恥なエゴイスト

蓋を開けてみてごらんほら

立派な怪異のおでましさ

さあさあ踊れよ理性なんて捨て

本能の赴くままに

だんだん剥がれ落ちる仮面

人間様のご本尊さ

♪

これはフィクションであり

ノンフィクションでもあります

古から伝わる妖怪は

人間を意味してるのです

時は流れて此のほどに

次に現れるのはどこだ？

周縁の声気にも止めぬ

ヒーロー気取りの狐憑き