Chigiri Front Cover

Lyric

Chigiri

nisemono

カーテン越しに溢れた 朝の木漏れ日

何故だか今日はやけに朧げに

ぼやけた視界 刺さる日差し

白く揺らいだ 二人だけの空間

癖のついた後ろ髪を結んだ瞬間

開いた瞳孔 時間が止まる

纏う儚さは煌々と照らす

月のようで

ただ、惹かれていた



結ぶ赤い糸 指を切る 約束の隣で

きつく締め付け離れない 穴の空いた満月

片目瞑り 覗いた 一輪の月見草

今すぐにでも 摘んでしまいたい

うるさいくらいに静かな夜に

咲かせた火花は熱くて脆くて

愛する事すら許されないというのならば

その罪と眠ろうか

藍色に染まる 荒廃した深海の底で

枯れ果てた空が 水面に反射して零れた

閉じた蕾に滴るその一粒が

空いていたグラスの穴を塞いだ

触れることで熱を帯びた氷から

溶け出す香りはどこか懐かしく

どこか切なくて

止めどなく溢れ出した

愛し会い哀され共に生きて逝くということ

そんなありふれた奇跡すらも叶わなくなって

腕の中の温もり、ただ此処に留めたくて

今すぐにでも連れ去ってしまいたい

例え結末が最悪だったとしても

今は側に居れればいいと

言い聞かした

苦しみ痛み怒り混ざり合う

これが愛だと知った

断片的な記憶に残るガラクタ

触れてしまい剥いだ治りかけの瘡蓋

何度も繰り返しては 滲む泡色

千切れそうな赤い意図

舞う言の葉はらりと

忘れないようにと、増えていく噛み跡

明日なんて見なくていいから

その目は開けないで

誘われないように 小指を結ぼう。

咲かない花は風に吹かれどこか遠くで

もう戻れないところまで来てしまった

午前四時 片結びで繋ぎ止める逃亡劇

解けた契りと盲目的な放浪癖

科された罰 夜風が攫う

明けない夜を何度も越えて迎えた黎明

血で染めた糸を織って纏った永遠の幻影

街灯が消え 目を紡ぐ

"繋いだ手を離さないで"

愛し会い哀され共に生きて逝くということ

そんなありふれた奇跡すらも叶わなくなって

腕の中の温もり、ただ此処に留めたくて

今すぐにでも連れ去ってしまいたい

例え結末が最悪だったとしても

今は側に居れればいいと言い聞かした

苦しみ痛み怒り混ざり合う

これが愛じゃなくて何だって言うんだよ

雪が溶けて三年ぶりに咲いた桜の木の下

交わした口付けは呪縛からの解放

もう零れ落ちることはないようにと

空っぽの左手握りしめた

ありふれた日常 ありふれた幸せ

刹那の幻想的な瞬間よりも美しい

エピローグの1ページ前 笑えてるように

二人だけの終わりを描こう

  • Lyricist

    nisemono

  • Composer

    nisemono

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