

ブラインドの細い光が
あなたの頬を横切ってる
始発のバスが通り過ぎても
あなたはまだ動かない
伸びた髭が肩に触れて
ぬくもりを探してくる
この瞬間を起こさぬように
息さえそっと隠してる
夜明ける前に去ることを
ずっと覚えてきたのに
いま 朝はドアが遠すぎて
消えてしまいたくない
誰かに見つかる前に
いつも逃げていた私
裸足のまま隣にいて
もう守り方がわからない
陽が差すまでここにいて
ブラインドの隙間から
街の音がふたりのあいだ
満たしてしまうまで
約束なんていらない
残す言葉もいらない
ただ朝が私たちを見つけるとき
その手の重さが欲しい
ここにいて
陽が差す前に
ここにいて
私が隠れるのをやめるまで
台所の蛇口が落とす
雫はテレビのリズム
隣の部屋の古い歌声
パンを焼く匂いがする
テーブルの上の腕時計は
昨日の時刻のままで
あなたの胸に耳をあて
眠らない世界を聴く
一度だけ目を開けて
大丈夫かとあなたが訊く
誰にも言えなかったような
「うん」を笑って返す
天井に光の線
下でタクシーがクラクション
あなたが近くへ引き寄せると
ほかのすべてが消えていく
こんなふうに誰かを
必要とするのが怖かった
それでも今は腕の中
自分からもう逃げたくない
陽が差すまでここにいて
ブラインドの隙間から
街の音がふたりのあいだ
満たしてしまうまで
約束なんていらない
残す言葉もいらない
ただ朝が私たちを見つけるとき
その手の重さが欲しい
ここにいて
陽が差す前に
ここにいて
私が隠れるのをやめるまで
愛は炎じゃないのかも
祭りの通りでもない
あなたの静かな寝息と
裏庭のラジオが混ざる音
冷めたままのコーヒーと
床に落ちた私の服
そしてこの小さな勇気
あなたの手を離さないこと
もし明日が名を変えて
世界がふたりを分けても
私はこの朝を覚えてる
陽が差す前のこと
陽が差してもここにいて
散らかった部屋を照らしても
光が触れてしまっても
ふたりが隠したすべてに
永遠なんていらない
どこにいたいかはわかる
朝がこの部屋を開くとき
同じ場所で目覚めたい
ここにいて
陽が差したあとも
ここにいて
今なら私を見ていい
ここにいて
約束を求めないで
ここにいて
今日をそのまま始めよう
五時を少し回って
扇風機がゆっくり回る
あなたの手はまだこの手の中
そして初めて
逃げることを考えない
- 作詞者
Pink Shih Tzu
- 作曲者
Pink Shih Tzu
- プロデューサー
Pink Shih Tzu
- ボーカル
Pink Shih Tzu

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陽が差す前に
Pink Shih Tzu
夜明け前、海沿いの部屋に残る、ふたりだけの静かな時間。
「陽が差す前に」は、誰かを必要とすることから逃げてきた主人公が、初めて“ここにいたい”と願う瞬間を描いた日本語ラブバラード。
ナイロン弦ギター、柔らかなローズピアノ、ブラッシュドラム、繊細なパーカッションが、湿度を帯びた夜明け前の空気を描く。
日常の小さな音や光のなかで、約束ではなく、ただ隣にいることの温かさを歌った一曲。
アーティスト情報
Pink Shih Tzu
Pink Shih Tzu(ピンク・シーズー)は、 感情の余白と夜の空気感を大切にするAI音楽プロジェクト。 英語詞を軸に、静かな決意や言葉にしきれない感情を、シネマティックで抑制の効いたサウンドで描いている。 音と沈黙のあいだに残る感情を、そっとすくい上げる。
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