Lyric

ネズミが立ち止まった

掠れた声は空気と何処かへ行ったんだ

真っ直ぐ睨んでやった

ネズミはいなくなった

最後の光が潰れた

悲しい事だとは思わないで

どうせ人はすぐに

どうせすぐに入れ替わるんだ

おびただしい数の命

殆ど光らず、目立たない

石の下のダンゴムシの喜びとは

合成洗剤の海で交尾

爪先から徐々に青くなって行く

命は等しくない

わたしの代わりは誰だ

わたしに色はあるのか

わたしは生きているのか

ちゃんとここで息をするだろうか

ネズミが横切って行った

背中から幽霊が闊歩する音が鳴る

どうせ僕はすぐに

どうせすぐに入れ替わるんだ

無駄だと思った時間は

あまりにも平等に流れていた

眼だけ明後日を見ている

あと少し暖かい

早送りのような日常の中

寝ても覚めても付き纏っては

睨んでくるのだ

生きながら死ぬことほど

恐ろしいものはないだろう

わたしは生きているのか

ちゃんとここで生きているだろうか

大丈夫百年後には皆皆無

細胞だけが移り変わる輪廻で

存在だけが静かに呼吸する

どうせ僕はすぐに入れ替わるんだ

どうせ僕はすぐに入れ替わるんだ

内臓がひっくり返るくらい

虚無に向かって叫び続けるよ

僕はすぐに僕じゃなくなるんだ

僕はやっと僕じゃなくなるんだ

透明な先生が無味な心を

擦り付けては満足そうに

帰って行ったよ

わたしの代わりは誰だ

わたしに色はあるのか

わたしは生きているのか

ちゃんとここで生きているだろうか

わたしの代わりはわたしだ

わたしの声は聞こえるか

わたしは生きているのか

ちゃんと今を叫べてるだろうか

雨が肺に溜まる

それでも尚慟哭は鳴り止まない

足跡を頼りに物語は続く

感動の深淵に最愛の風景を