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歌詞

ある日の寂寥

YAMARYOOO

仰げば灰色の空が今

憂いのなか涙をこぼす予感がして

ため息が漏れる

傘を持たずに歩む午後に

漠然とした寂しさを私は傍に、

傍に連れて

向かいに母を連れた子がひとり

突然郷愁の念に襲われる

なす術もなく

雨に打たれ

――足を早めて

雨に打たれ

――その場を凌ぐ

雨に打たれ

――心が溢れぬよう

雨に打たれ

――掛け金を掛けて

激しく雨は足を強める はしゃいだ音に

交じるクラクションや踏切のサイレン

あぁ、街は華やいで

喧騒のなか どこか虚しく目を逸らす

雨に打たれ

――濡れた前髪と

雨に打たれ

――惑う人混みに

雨に打たれ

――不満を募らせて

雨に打たれ

――家路へと急ぐ

先程の童が黄色い雨具を着て歩いている

懐かしげな色味にざらつく胸の奥で

得も知れぬ痛みが湧いて

雨に打たれ

――やむを得ず

雨に打たれ

――今を噛み締めて

雨に打たれ

――血が滲めども

雨に打たれ

――心が溢れぬよう

雨に打たれ

――掛け金を掛けて

  • 作詞者

    YAMARYOOO

  • 作曲者

    YAMARYOOO

  • プロデューサー

    YAMARYOOO

  • レコーディングエンジニア

    YAMARYOOO

  • ミキシングエンジニア

    YAMARYOOO

  • マスタリングエンジニア

    YAMARYOOO

  • グラフィックデザイン

    YAMARYOOO

  • ギター

    YAMARYOOO

  • ボーカル

    YAMARYOOO

  • バックグラウンドボーカル

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  • ソングライター

    YAMARYOOO

  • プログラミング

    YAMARYOOO

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これから紡いでゆく人生の黎明期にあたる今現在。その様をさらけ出し、内省的なリリックとサウンドで楔を打つ。ある意味これは純粋な「私小説」ともいえる。大衆に開かれた世界とは真逆の方向性で、極々個人的な心情を描いた掃きだめのような楽曲である。しかしながら、そもそも大衆とは自分以外の個人の集まりであり、その個々人にフォーカスしたとき、一個人が発した感情は普遍性を帯びた感覚であるともいえるだろう。つまるところ、個人的な情念は見方によっては共感を十分に孕んでいる。これのアルバムは現代を生きる日本人が放つ「シンクレティズムロック」である。

アーティスト情報

  • YAMARYOOO

    様々なジャンルを吸収し、新たに見えた感情風景(Emoscape)を描く。情報が氾濫する現代において、日本人の得意とする「折衷」を体現したシンクレティズムロック。

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