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DJ YUTAKA『Cali Life 3』
今年(2024年)の母の日にはDef Techとのシングル「MAMA -beat by DJ YUTAKA-」がサプライズリリースされ、さらに昨年より自身のライフワークとも言える『UNITED NATIONS』シリーズの最新作を制作中であるヒップホップDJ/プロデューサーのDJ YUTAKA。70年代後半からDJとしてのキャリアをスタートし、現在、LAを拠点に活動するDJ YUTAKAがインストゥルメンタル・アルバム『Cali Life 3』を完成させた。
2022年にスタートした『Cali Life』の第三弾となる本作は、DJ YUTAKA自身が全8曲のプロデュースからミックス、マスタリングまでほぼ全てを手がけ(注:「Palms」のみギタリストYuji Fukudaが参加)、過去2作品と同様に彼のホームであるカリフォルニアでの日常の“生活”や、さらにこれまで経験してきた“人生”といった、さまざまな意味での“life”をインスト・チューンで描く。
美しいピアノのメロディーでスタートする「OHAYO」で朝を迎え、希望に満ちた一日が幕を開ける。パームス(「Palms」)は長年にわたってLAにて生活を送ってきたDJ YUTAKAにとっても重要なエリア。ここ数年、治安の悪化が問題となっているLAだが、そんな状況とは無縁なこのエリアのピースな空気感がこの曲にも充満している。一転して、月明かりが夜の街を照らす「Moonshadow」では、昼とは異なるストリートの別の顔を見せながら、クールなバイブスなままで車に乗り込み街へと繰り出し(「Night seeker」)、シンプルなドラムとベース、シンセの組み合わせで、極上の疾走感を味あわせる。ホーンのサウンドととともにフリーウェイ405線(「405」)をドライブしたかとしたかと思えば、ディープなベースのファンクに乗って夕暮れの中を闊歩し(「Walk on sunset」)、「Only lonely」で孤独を噛み締めながら、愛する者が待つ場所へと辿り着く。ラストを飾る「Arigato Mama」は2023年にシングルリリースもされているが、自らの人生を最大限に応援してくれた亡き母親へ捧げたこの曲は、今回のアルバムの最後を締めるの相応しい一曲だ。
ベニスビーチの夕暮れをモチーフにしたアルバムジャケットが物語っているように、抑揚をつけながらも心地よくリラックスしたトーンがこのアルバムの軸としてあり、極上のチルアウトミュージックとしても機能する。ヒップホップカルチャーを誰よりも深く知り尽くしているDJ YUTAKAが、そのベテランならではの感性を最大限に発揮し作り上げた最上級のカリフォルニアサウンドをぜひ堪能して欲しい。