

雨のカウンター 琥珀のグラス
名前をなぞる 指先ひとつ
「何て呼びたい?」 投げた悪戯(いたずら)
あなたを試す 問いかけ
窓の外には 滲んだ闇が
「夜に咲く 花の名前で……」
眠るアネモネ 知らないままで
あなたは淡い 夢を見る
重なる肌に 触れる吐息
甘いその名は 私じゃない
私は透けて 部屋の隅から
自分を見つめる
私を呼んで でもその声は
本当の私を 追い越してゆく
抱きしめるほど 私は遠ざかる
すり抜けてゆく シルエット
愛されても ここに私はいない
「あなた」と呼べば 守り通せた
過去も明日も 知らないままで
帰る背中に 影が伸びる
名前なんて いらなかった
なのに今夜は 本当のカタチ
少しだけ 暴いてほしくなる
バッグの奥の 冷たい鍵が
指先に 触れるけれど
私を呼んで その花の名で
美しい嘘 突き通して
彷徨う指が 探しているのは
あなたが描いた 幻
唇を寄せても ここに私はいない
「どこに住んでるの?」 不意の言葉
静かな均衡(バランス) 砕けてゆく
名前を欲しがれば 魔法は解ける
跡形もなく 消えるの
私を呼んで 最後の口づけ
綺麗な嘘の 名前のままで
刹那(せつな)の迷い 夜気(やき)に捨てたら
夜明けと共に ひとりに戻る
愛したのは 名のない孤独
タクシーの窓 白み始めた街
私を夢みたひと もう振り返らない
アスファルトに 閉じる花びら
私はもう 誰の幻でもない
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“名前のないアネモネ”を
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- ⚫︎
名前のないアネモネ
Akemi
「名前のないアネモネ」は、名前を持たない関係の危うさと、美しい嘘の中で揺れる自己像を描いたミディアムテンポのシティポップ。
雨に濡れたカウンター、琥珀色のグラス、夜に咲く花の名を借りた呼びかけ――触れ合いのぬくもりの中で、愛されているはずなのに“本当の自分”がそこにいないという感覚を、繊細な言葉で映し出す。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、誰かの幻想として愛されることと、自分自身として存在することのあいだで揺れる大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやアーバン・ポップが持っていた、都会の夜、匿名性、そして恋の危うい均衡を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
名を与えた瞬間に壊れてしまう魔法、抱きしめられるほど遠ざかっていく心――
夜明けの街へと消えていくその姿は、誰の幻でもない“ひとりの私”へと戻るための静かな決別を物語る。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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