Lyric

いつかは死んでしまうなんて最上級のネタバラシを

UFOがいなくなった雪山の怪物ももういない

空を泳いでいた白鯨もいつか雲に変わっていた

夏の静けさを求めた夜風すら茹だる枕元で

怯えて眠った亡霊もいつか染みに変わっていた

余計な事だけが本当に変わる

願い事だけが悪夢に終わる

子供じゃいれない人間を僕ら大人と呼んだんだ

地図の無い世界を歩いていたい誰の旗も立たない土を踏みたい

羅針盤の外側の風景を焼き付けてから死にたい

再放送を観ていた夜更かしも鼓動を走らせない

何度も見た悲劇の一幕に泣けなくなっていた

教科書が苦手だった捲るたびに小舟を漕いでさ

文字だけが並ぶ小説もいつか指でなぞっていた

おとぎ話の世界が噓に変わる

ガラスの靴だって金で買える

妖精達を笑ったあの時に大人になったんだ

何も知らないまま列車に乗って暗闇の中で不安を握って

トンネルを抜けた先の雪国に涙を流してみたい

いつかの夜に戻れないように今日の僕だって明日にはいないから

列車の揺れに踊りだすのさ　らったったった

白黒揃えた行進もいつか今際の際じゃ懐かしく思うから

小さな声で歌いだすのさ　らったったった

古びたラジオに耳を寄せた変わらないものがふと愛しくなって

タンスの奥音の飛ぶオルゴール君も置いて逝くんだね

ただゆきずりの恋に目が眩んで花畑の中蕾を飛ばして

奪ったことすら知らずに無邪気な笑顔で転んでいたい