Melody Line -RED-のジャケット写真

歌詞

ヘンゼルとグレーテル

sayuta

ポケットに残ってた地図のかけら

ビスケットは叩いたら増えたっけな

閉まってた宝箱 隙間から

香るは甘いおかしなお話

僕らには甘すぎて

似合わなかった

迷ってもふたり帰れるように

置いてった毎日は道しるべ

絵本の話でもそうだった

小鳥が食べてしまったっけな

砂糖は溶けて

甘ったるい目印は消えてしまった

ひとり引き返す道 迷子のままさ

開いてた宝箱 鍵かけて

また夢 甘いおかしなお話

すみっこに残ってたお菓子のかけら

拾ったら崩れてしまったっけな

砂糖は溶けて

甘さだけ残る道を歩くけれど

ひとりまだ森の中 迷子のままさ

  • 作詞者

    sayuta

  • 作曲者

    sayuta

  • プロデューサー

    金戸俊悟

  • レコーディングエンジニア

    金戸俊悟

  • ミキシングエンジニア

    金戸俊悟

  • マスタリングエンジニア

    金戸俊悟

  • ギター

    金戸俊悟

  • ベースギター

    金戸俊悟

  • キーボード

    金戸俊悟

  • シンセサイザー

    金戸俊悟

  • ボーカル

    sayuta

  • バックグラウンドボーカル

    sayuta

  • ピアノ

    金戸俊悟

  • パーカッション

    金戸俊悟

  • プログラミング

    金戸俊悟

Melody Line -RED-のジャケット写真

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全三部作で構成される『Melody Line』シリーズ。そのフィナーレを飾るのが、本作『Melody Line -RED-』だ。

2024年3月に第一弾『Melody Line -BLUE-』、同年12月に第二弾『Melody Line -YELLOW-』をリリース。そして2025年11月、ついにシリーズを締めくくる本作が登場する。
1年11ヶ月という短いスパンで三作を連続リリースするというスピード感。その裏に、どんな創作のエネルギーと想いが込められているのだろうか。

郡山を拠点に活動するシンガーソングライター、sayuta。
彼女の楽曲は、まるで小さな絵本の一ページから大きな空想が広がり、物語がふくらんでいくようだ。
丁寧に描かれた情景に耳と心を委ねれば、そこにはsayutaが誘う、ポップスの魔法に満ちた世界が広がっている。

三部作には、それぞれに明確なテーマがある。
「子どもの頃、カーステレオから流れていた懐かしい楽曲たちに想いを馳せた」と語るのは、どこか郷愁を誘う第一弾『Melody Line -BLUE-』について。
確かにこのアルバムには、往年の名曲へのリスペクトとオマージュが随所に散りばめられている。

続く第二弾『Melody Line -YELLOW-』について、sayutaはこう語る。
「踊れる曲、ノリのいい曲をと思って。あと、トレンドでもある80年代の要素や、よりモダンなサウンドを取り入れることで、メジャーシーンを意識しました。」
毛色の異なる二作でありながら、両作に通底するのは“往年のポップスへの敬意”だ。
sayutaは名曲たちを自らのフィルターを通して再解釈し、彼女の大きな個性である“物語性”を加えることで、唯一無二のポップス世界を構築している。

すでにやり切った感のある二作をリリースしたsayutaは、三作目となる『Melody Line -RED-』にどのようなテーマを託したのだろうか。
「最初に決まったのは“赤”という色だけ。そこから着想を得て、緞帳や劇場のカーペットに使われる深い赤を連想しました。」
実に彼女らしい発想だ。
“赤”という色から、物語が幕を開ける象徴的な場所──劇場──へとたどり着いたのである。「テーマが決まると、自然と『-RED-』には物語性を与えたくなった。自分の個性でもあるし。ただ、サウンド面でそれをどう表現するかはまだ決まっていませんでした。」

本シリーズのサウンドプロデュースは、すべて編曲家・金戸俊悟によるものだ。
10歳でギターを手に取った彼は、父の影響でThe BeatlesやLed Zeppelin、Stevie Wonder、Earth, Wind & Fireといった60〜80年代の音楽に心酔していった。
「今でもアレンジに悩んだときは、The BeatlesやLed Zeppelinを聴きます。彼らの音楽からは、実験的な好奇心や遊び心、そしてそれに相反する苦悩からくるエネルギーを強く感じるんです。」
そう語る彼のサウンドには、J-POPの王道を押さえながらも、洋楽的なエッセンスが息づいている。
ジャズ理論にとらわれない奔放な転調を伴うコードワーク、細部に光るフレーズには往年の名曲へのオマージュや、ブルース、ソウル、ファンクの影響が感じられる。
既成概念に縛られない彼らしい遊び心と自由さに、リスナーは次の展開を期待する。
時に心地よく、時に意外性で意表を突く──その緩急こそが、金戸俊悟のサウンドの真骨頂だ。
「曲の最初から最後まで、リスナーの耳と心をつかんで離さない“仕掛けづくり”にはとてもこだわっています。」
三作を通して聴き返すたびに新たな発見があるのは、まさにその緻密な設計ゆえだろう。
それはサブリミナルのようにリスナーの記憶に刻まれ、作品世界を強く印象づける。

「今作は“劇場の赤”、物語性の重視というテーマだったので、より生楽器によるアプローチを色濃くしました。M1『マチネの終わりに』がとても象徴的だと思います。」
彼の言葉どおり、『マチネの終わりに』は弦楽器の軽やかさと妖艶さが共存するフレーズによって、深紅の緞帳が開く瞬間を描き出す。
その幕開けは、sayutaが誘うポップスの物語世界へとリスナーを導く、美しい序章となっている。

深紅の緞帳が開き、sayutaの声が空気を震わせる。
小さな劇場で紡がれることばに耳を傾ければ、切なくも柔らかな風が頬をくすぐる。
甘いおとぎ話の世界に迷い込み、もう一つの現実〈パラレルワールド〉を求める。
その先ではsayutaの旋律が、記憶の1ページをそっと撫でていく。
八曲を通して流れるのは、誰の心にも眠る“物語の赤”。
その終幕に、きっとあなた自身の感情が重なるはずだ。

アーティスト情報

  • sayuta

    郡山出身在住のシンガーソングライター。 ハスキーでありながら透明感を宿すアルトボイス。物語性に富んだ歌詞は、キャッチーなメロディーとともに聴く人の心に情景を描き出す。また、名曲からのインスパイアを通して、懐かしさと新鮮さが共存するポップスの世界を作り出す。 夫であり編曲家の金戸俊悟と共同で制作。一音一音に意味を持たせ、緻密に重ねられるストリングスやリズム、コードワークは、物語の一部を担う。自宅の小さな部屋から生まれる多彩な音楽は、聴く者の心を広大な物語の世界へと誘う。 日常の中の一瞬を少しだけ特別に変える音楽。聴く人の記憶をくすぐり、新たな思い出として刻まれる音楽となることを願う。 2015年 アルバム『ドラマチックポップ』初CDリリース。 2016年 アルバム『Winter Wonderland』リリース。 2017年 アルバム『リトルシアター』リリース。 2024年3月 『Melody Line -BLUE-』リリース。LIVE STAGE PEAK ACTIONにてレコ発ワンマンライヴ開催。SOLD OUT。 2024年12月『Melody Line -YELLOW-』リリース。三日連続レコ発イベントを開催。盛況のうち幕を閉じる。 2025年11月『Melody Line -RED-』リリース。11/8、Koriyama #9にてレコ発ワンマンライブを開催予定。

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