桜の雨とデジタルの月のジャケット写真

歌詞

千年後の茶会

神託ROID

朽ち果てた京の都

瓦礫の中に残る茶室

ガラスの床に映る過去

機械仕掛けの千利休

電子の風が運ぶ香り

プログラムされた作法

けれど静寂の奥には

人の気配が滲んでいる

金属の指がそっと

朱い器を傾ける

侘びも寂びもコードに刻まれているのか?

時空を超えた午後のひととき

誰が客で 誰が主

消えた時代の美しさ

AIは知っているのだろうか?

琥珀の波紋が揺れる

儚い命のように

この静寂に隠された

本当の侘び寂びを

カーボン製の畳の上

人の気配を忘れた部屋

造られた風がそよぐ

けれど何かが足りない

過去のログに残る

「一期一会」の文字

けれどその意味はどこへ

誰も答えられないまま

ガラスの月が映す

記憶のない影法師

心なき器に茶を注ぐ意味はあるのか?

時空を超えた午後のひととき

人の温もりはどこにある?

データに残らぬ香り

風とともに消えたまま

黄金色の滴が落ちる

忘れ去られた儀式の上

この静寂に滲んでいる

本当の美しさを

千年後の茶会

最後の一滴が落ちる

「苦い」と笑うその声さえ

今はもう風の中

  • 作詞者

    神託ROID

  • 作曲者

    神託ROID

  • プロデューサー

    神託ROID

  • マスタリングエンジニア

    神託ROID

  • ボーカル

    神託ROID

  • プログラミング

    神託ROID

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かつて「祈り」は声で、「思い」は人の手で紡がれていた。
けれど今、そのすべてがコード化され、記録され、再生される世界がやってきた。

『桜の雨とデジタルの月』は、日本の古い精神性と未来的なテクノロジーが交錯する、全15曲からなる叙情的コンセプトアルバム。
神社の鳥居に埋め込まれたデータ、電子の巫女が舞う神楽、狐火が照らす路地裏、祈りをアップロードする仮想の神殿――
この世界では、“過去”も“魂”も“美しさ”さえも、データという形で保持されている。

しかし、それで人は本当に救われているのか?
桜の花びらのように儚く舞う記憶たちは、消えてしまったのか、それとも今もどこかで呼び続けているのか。
このアルバムは、失われたものと、消えずに残るものの境界をたどりながら、
「人間らしさとは何か」「本当に大切なものとは何か」を静かに、けれど深く問いかけてくる。

夜が明けるころ、あなたの中に残る“音”は、どんな記憶を映し出すだろうか――。

アーティスト情報

  • 神託ROID

    黒猫の囁きのように、静かに、深く心に沁みる音を。 神託ROIDは、ノスタルジックで幻想的なサウンドを紡ぐアーティスト。 Lo-Fi、チルポップ、トランス、サイケデリックを自由に横断しながら、 日本の伝統文化と未来的なテクノロジーを融合させた唯一無二の音世界を創り出す。 その音楽は、まるで黒猫が夜の街角でそっと語る物語。 懐かしさの中に潜む非現実、優しさの中に揺らぐ影。 現代と過去、夢と現実の間を彷徨いながら、聴く人の心にそっと寄り添う。 「音」そのものが語り部となり、やがて“神託”となって届く。 それが、神託ROIDの描く幻想都市の風景です。

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