桜の雨とデジタルの月のジャケット写真

歌詞

寂滅インストール

神託ROID

青白い光が滲む

ネオンに染まる五重塔

コードの雨が降る夜に

無我の声が響いている

千年の夢が積み重なり

今この手に落ちるデータ

煩悩をデリートすれば

人は本当に自由になれる?

冷たい指が触れた

ダウンロードは完了

感情を初期化すれば

「悟り」に至るというけれど

寂滅インストール

「空」へと至るプログラム

欲望のコードを消せば

人は何者になるのだろう

無常のメモリー

輪廻を超えた意識体

救いか それとも空虚か

ただ光の海に溶ける

生老病死のバグフィックス

カルマを圧縮する未来

「お前は誰だ?」と問うた時

答えはログに残るのか?

仏の瞳が見下ろす

シリコン製の曼荼羅

データ化された般若心経

それは祈りか ただのノイズか

ゼロとイチの狭間で

人はまだ迷っている

デリートされるその前に

何を残せばいいのだろう?

寂滅インストール

仏に近づくプログラム

愛も痛みも消したなら

人は本当に救われるの?

輪廻を超えて

新しい世界へと至る

けれどそこに残るものは

ただ白い光だけ

もしも君の声が消えても

僕はそれを悲しまない

それが「悟り」なら

僕はただの空っぽの器

寂滅インストール

すべてを削除したその先に

何もないことが「救い」なら

それでも僕は願ってしまう

もう一度 その手に触れたいと

  • 作詞者

    神託ROID

  • 作曲者

    神託ROID

  • プロデューサー

    神託ROID

  • マスタリングエンジニア

    神託ROID

  • ボーカル

    神託ROID

  • プログラミング

    神託ROID

桜の雨とデジタルの月のジャケット写真

神託ROID の“寂滅インストール”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

かつて「祈り」は声で、「思い」は人の手で紡がれていた。
けれど今、そのすべてがコード化され、記録され、再生される世界がやってきた。

『桜の雨とデジタルの月』は、日本の古い精神性と未来的なテクノロジーが交錯する、全15曲からなる叙情的コンセプトアルバム。
神社の鳥居に埋め込まれたデータ、電子の巫女が舞う神楽、狐火が照らす路地裏、祈りをアップロードする仮想の神殿――
この世界では、“過去”も“魂”も“美しさ”さえも、データという形で保持されている。

しかし、それで人は本当に救われているのか?
桜の花びらのように儚く舞う記憶たちは、消えてしまったのか、それとも今もどこかで呼び続けているのか。
このアルバムは、失われたものと、消えずに残るものの境界をたどりながら、
「人間らしさとは何か」「本当に大切なものとは何か」を静かに、けれど深く問いかけてくる。

夜が明けるころ、あなたの中に残る“音”は、どんな記憶を映し出すだろうか――。

アーティスト情報

  • 神託ROID

    黒猫の囁きのように、静かに、深く心に沁みる音を。 神託ROIDは、ノスタルジックで幻想的なサウンドを紡ぐアーティスト。 Lo-Fi、チルポップ、トランス、サイケデリックを自由に横断しながら、 日本の伝統文化と未来的なテクノロジーを融合させた唯一無二の音世界を創り出す。 その音楽は、まるで黒猫が夜の街角でそっと語る物語。 懐かしさの中に潜む非現実、優しさの中に揺らぐ影。 現代と過去、夢と現実の間を彷徨いながら、聴く人の心にそっと寄り添う。 「音」そのものが語り部となり、やがて“神託”となって届く。 それが、神託ROIDの描く幻想都市の風景です。

    アーティストページへ


    神託ROIDの他のリリース
"