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大げさなスタジアム級のアンセム(anthemic chorus)や劇的なストリングス、そして安易なカタルシスへ導くクレッシェンド(crescendo)を徹底的に焼き尽くし、日曜日の午後4時の気怠い斜光(4pm light sound)と生活の諦念を形にしたミドルテンポのブリットポップです。BPMはあえて推進力を排除し、時間をただ刻むだけのレイドバックしたドラム(laid-back drumming)と、歌うようなメロディック・ベースラインが、ライブ会場ではなく「壁の薄いワンルーム(domestic spatial production)」の極小音響空間を構築しています。
歌詞の核となるのは、ドラマを徹底的に拒絶したリアリズム。「冷めてしまったマグカップ、隙間から見えるいつもの街、背後の部屋で黙っている彼女。どこへも行かないまま、もうこんな時間になってしまった(it's already late)」。初期オアシス(Oasis)のアルバムの片隅にひっそりと置かれているような、労働者階級特有の感情をあえて排したフラットな歌い回し(flat affect)が、部屋の残響(room reverb)を纏って耳元に生々しく張り付きます。ヴァースとコーラスの境界線をあえて曖昧にし、コード解決を拒絶した未解決の循環コード(unresolved chord loop)のなかで、静かな感情の重み(emotional weight)を浮かび上がらせます。最後は自動フェードアウトに逃げる定番の終わり方を完全に拒絶し、リフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。