

君の背中を押し続けていた
手の平に伝った温度に
何度救われたろうか知りたくはない
君の吐いた息を吸いたい
果てないと思っていた当たり前が
音も立てず壊れる
気づけばその笑顔を具に思い出している
麗かに咲いた花が終わりを迎える
絶えず焦った様子で
酷く無情に日々が塗り変わり
移ろっていく街を眺め
何も変われない私だけが残されて
嫌でも生きてく
君の知らない街で大人になってく
君を置いて幸せになったりして
歳を重ねるごと共に過ごした時間の濃度が薄くなる
新しく萌えた葉に侵されてく桜のように
何かを忘れながら歩んでゆくんだろうか
泣き止む蝉 枯れた落葉樹
薄汚れた淡雪
散りゆく花の雨が
あまりに美しくて
胸に迫るやるせなさに溺れている
どうしても折り合いがつかない
冷え切った手を取ったら二度と離せないだろう
伽藍堂の病室に
花の終わる静寂に
思い出の熱暴走
嫌でも生きてる
誰も知らない場所で君を叫んでる
心は少しずつ逞しくなって
生きれば生きるほどその面影が遠く小さくなってゆく
新しく萌えた葉に侵されてく桜のように
何かを薄めながら 君を薄めながら
涙を流しながら 心を散らしながら
忙しなく移ろう季節の中で忘れながら
歩んでゆくんだろうか
- Lyricist
ZEPONICA
- Composer
ZEPONICA
- Producer
ZEPONICA
- Vocals
ZEPONICA

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Spring Dilution
ZEPONICA
Artist Profile
ZEPONICA
作詞・作曲・編曲、時に自身でMVを手がけるなどし、独自の世界観を構築するクリエイター、ゼポナイカ。 疾走感のある、バンドテイストの爽やかな「きらめき」「かける言葉が見つからないのだよ」などの曲の数々は時に青春に寄り添い、時に青春を思い起こさせる。 一転、「百と九十九」「負傷兵」では生きる上での寂しさを浮き彫りにする。 様々な一面を見せてくれるアーティストであるが、どんな曲であろうとも、彼の作品にはポップの精神が根底に宿っている。
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