

空調の低い音だけが
ページの隙間に溜まってる
指先で解く夜は
まだ名前も持たないまま
閉館後の灯りみたいに
やわらかく滲む文字
書いては消した言い訳が
行間に沈んでる
乾いたインクの匂いで
少しだけ遠くなる
君に似せた言葉ほど
上手く嘘になる
折り目のついた感情を
伸ばさないまま仕舞うのは
壊れる音を
まだ聞きたくないから
挟んだままの手紙が
夜を重くする
届けないことでしか
守れない温度がある
読み返す度にだけ
本当の事になる
言葉にしたらきっと
君じゃなくなるから
紙を捲る音だけが
時間を進めていく
進まないのは心で
栞だけ増えていく
借りたままの物語に
似たような結末を
探してるふりをして
ただ逃げている
書き直せばいいだけと
何度も思うけれど
最初の嘘が
一番やさしかった
挟んだままの手紙が
夜を解いてく
触れない事でしか
消えないものもある
読み終えた後でも
終わらない余白に
君の名前だけを
書けずに残してる
ペン先が迷うたびに
静かなコードが鳴る
正しさよりも
似合う沈黙を選んでしまう
挟んだままの手紙は
まだここにある
渡さないままでいい
それだけで繋がるなら
閉じたページの奥で
呼吸をしている
君に届かないまま
綺麗でいられるように
- 作詞者
佳
- 作曲者
佳
- プロデューサー
佳
- その他の楽器
佳

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栞
佳
アーティスト情報
佳
佳(Kei)は、Lo-fi、オルタナティブロック、インディーポップを軸に活動する音楽アーティスト。 透明感のある言葉選びと、どこか懐かしさを感じさせる風景描写を特徴とし、日常の中にある小さな感情や記憶の揺らぎを音楽へと落とし込む。思わず口ずさみたくなるメロディと、聴き終えた後も残り続ける余韻を大切にした楽曲を制作している。 エレクトロニカ、オルタナティブロック、ドリームポップの影響を受けたサウンドと繊細な歌詞表現が持ち味。AIを創作パートナーとして取り入れながら、自身ならではの音楽表現を追求している。
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