Lyric

私はこれから、あと何度、

この景色を見ることができるのだろう。

いつもと変わらぬ街並みが、

いつもと変わらぬ群衆が、

妙に、私の心を強く、突き刺してくる。

すれ違う人々は、みな同じ表情を浮かべ、哀愁すらも感じる。

果たして、私はここに居続けていいのだろうか。

だけど時に、私の事を蔑む姿を漂わせては、

より一層、居たたまれない気持ちで、いっぱいになる。

ここにいる一人ひとりが、

何を考え、誰を想い、どう感じているのか、

私には、皆目見当がつかない。

きっと私が、全知全能だったら、

少しは楽に生きられるかもしれないよな、なんて。

歩道橋から眺める、午前8時14分。

ヒグラシの声は落ち着いてきたというのに、

日差しは相変わらず、煩わしいままだ。

こんな繰り返す毎日の中で、

私はいったい何に憧れて、どう生きていきたいのか。

いつまでも答えが出ないままで、凄くもどかしい。

風の音、歩く音、話し声、車の走る音、

毎日嫌でも耳にするざわめきが、

今日は何故か、いつもより喧しく感じてしまう。

ああ、ここは、こんなにも、息苦しい世界だったのか。

そんな自分にまた、嫌気が差してしまう。

歩道橋から眺める、午前8時15分。

今はただ、この何気ない絶景のように、

私は私らしく、歩いていかなければならないのだろう。

でも、そんな自分にまた…。

そんな自分にまた…。背中を向けたくなって…。

歩道橋から見えた　景色は　いつもと

変わらない姿を　映していた

歩道橋を歩いている　私は　どう見える？

変われない姿を　晒していたまま…

歩道橋から眺める、午前8時16分。

今日もまた、気分が冴えない、

私だけの一日が、始まろうとしている。