

部屋の隅っこに滲む闇に飲み込まれまいと
まんじりともせず夜を明かした幼子の眠る頃
目覚めた男は微かな吐き気を飲み込んで
闇の滲む部屋には戻れないのだ
鬨の声が聞こえた気がした
それは遥か昔の雄鶏だった
そしてまた少し眠って窓の外
喧騒に耳を澄まして己の声を探して眠る
「いつかまた」
そう言って別れた友は雑踏の中に紛れているのだろうか
明け方早く 不意に目が覚めて
冷たい風と 眩しい光が 差し込む
部屋に一人きり ガランとした部屋
寂しい気配を騒がしく朝が かき消す
ように忙しく 昨日を脱ぎ捨て
行き交う人は足早に 今を駆け抜ける
正確なほど揺るぎない歩み
恐れを抱え尚踏み出す足
飛び立つように激しく 迷いなど捨てて
僅かな望みも不確かのままで
僕には知る由もない 知るときは来るか?
冷たい風と 眩しい光が駆け抜ける
幼子は部屋の隅っこに滲む闇に
自ら歩み寄ってその先に今を見たのか
ああ、なんてこった
まだまだ遊んでいたいのに
もうねぐらへと急ぐ足音
明け方早く 不意に目が覚めて
- 作詞者
小山健太, テラーフ
- 作曲者
小山健太

小山健太 の“明け方”を
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