Like Magic Front Cover

Lyric

Like Magic

Curiosity.

明日の夜、有名な道化師が

この街にやってくるらしい

新聞を広げた父が今朝

コーヒーを飲みつつ話していた

食卓の隅に置かれた

封筒の糊を剥がせば

僅かにのぞくチケットに

なんだか呼ばれた気がした

期待は時期、熱に変わり

巻いたマフラーは邪魔になった

動き出した人波に押し流されていく

大切に握ったチケットを手に

歓声と光の渦の中

戯けて見せる赤鼻の彼の

魔法と違わぬその手品は

全てがキラキラ光って見えた

水面を跳ねる陽のように

全てがキラキラ光って見えた

大きな荷物の青年が

手を振って、故郷を出ていく

見る者全てを笑顔にする

彼のようになりたかった

美しいジニアが咲く街で

横顔を幾つも見送った

どこかの誰かが投げ入れた

一枚、情けの銀の硬貨

期待は時期、不安に変わり

小さな矜持は邪魔になった

掻き消せない憧憬に押し流されていく

色褪せ始めたチケットを手に

貧しい生活の途中で

訪ねた医者の男が

少し狭いその眉間に

皺を寄せつつ、話していた

手足に走る痛みと

訪れる近い未来を

頬を伝う感情に押し流されていく

ボロボロで破れかけのチケットを手に

悦びと悩みの渦の中

戯けて見せた赤鼻の僕の

魔法と違わぬこの手品は

誰かの何かを変えたろうか

終演の幕が下りるような

瞼の裏から覗く景色は

故郷に手を振って出た朝のように

全てがキラキラ光って見えた

まるで、あの日の手品のように

全てがキラキラ光って見えた

化粧が一筋、落ちていく

  • Lyricist

    Curiosity., coto

  • Composer

    Curiosity., coto

Like Magic Front Cover

Listen to Like Magic by Curiosity.

Streaming / Download

"