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Syunto Itoは東京を拠点にしている作曲家、ビジュアルアーティスト。EP「Tiny Monster」をリリース後、初のフルレングスアルバムである「Power」をリリースする。
この作品群を通して、彼は人間の動力源はどのようにして生まれるのかを探求している。それは内省から生まれることもあれば、他者との関係によるもの、社会、自然、宇宙、など、様々な要因があり、そしてそれらが複雑に絡み合って生まれる。その構造はフラクタルとなっている。それを音楽として、理論と実践、恣意と規則を織り交ぜて、コンポジションし表現した。
そしてそのテーマは形而上学的な領域まで音楽と共に展開していく。
アルバムの全ての曲には、supercolliderによって作られた音が多く使われていて、それらはサイン波、ホワイトノイズなどの、単純な波形から生成されている。そしてそれらの音の物理的な特徴、変調方法と人間の感情との関係性を追求している。これによって音作りから完成までの全てのプロセスが密接に関係させることに成功した。
そのように作られた音を分解し、再構築し、並べ替えて、そしてそれを再構成することにより音楽は単純なループ構造から抜け出し、よりこの世界に流れている本質的なリズムに近づく。そしてそのリズムの変化と展開はそれぞれの曲の中にも見られるが、規則的なリズム、崩壊したリズム、抽象的なアンビエント、ハーシュノイズ、和声、など様々な要素があらゆる楽曲に散りばめられていて、アルバムを通してもリズム、そして独特な時間感覚を感じられる。
このようにしてSyunto Itoは「Power」を完成させた。彼の全ての曲は彼自身のとても個人的で内省的な物事から出発している。しかしそれらを徹底的に追求したことによって、この世界との密接な関係性と普遍性を獲得することができている。主観と客観、唯心論と唯物論を超えたところへ到達しようとしているのである。
Syunto Ito(2002年生まれ)は日本のエレクトロニック・ミュージシャンで、東京を拠点に活動している。主にサイン波とホワイトノイズなどの単純な波形を変調、加工してサウンドを作り、音の物理的な特徴と人間の知覚との関係を探っている。 彼は幼少期からピアノを始め、クラシックを学んでいた。その後現代芸術、映画、アニメーションなどの映像に触れて、様々な分野のアーティストとのコラボレーション、そして既存の音楽を拡張する表現の追求を行う。