

退屈な午後 潮風にさらわれた
「バイバイ」も言えず 置いてきた声
片道の江ノ電 窓ガラスに映った
君の幻 まだ消えないや
打ち上げ花火 君と見た空
ハートのフィルム 巻き戻せない
この季節だけ 巻き戻せたら
ねえ、運命ごと 書き換えてよ
夏の江ノ島 恋の亡暮霊
記憶の波に さらわれたまま
「またね」って 言えたなら
まだ私は 君の隣だったかな
冷めかけのラムネと 溶けたアイス
夕暮れの音が 胸を刺す
「大丈夫」って強がるたび
壊れてく 君の声が
ねえ 夢じゃないよね?
イヤホン越しのさよならに
涙も出なくなった私は
もう 愛も知らないフリ
夏の江ノ島 時計の針が
動くたびに 置いてかれる
「戻れたら」なんて言わないけど
もう一度だけ 笑ってよ
海風に散った 恋の破片
痛いくらい 胸の奥で光ってる
来年の夏は もう君じゃない
そう思っても 君なんだよ
さよなら江ノ島
またひとつ夢が
潮騒の中で バグって消えた
- Lyricist
SANO RYOTA
- Composer
SANO RYOTA
- Producer
SANO RYOTA
- Guitar
SANO RYOTA

Listen to Enoshima in Summer by SANO RYOTA
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Enoshima in Summer
SANO RYOTA
淡く切ない恋の記憶を描いたエモーショナルなバラード。
舞台は夏の江ノ島。退屈な午後、潮風、片道切符の江ノ電――
何気ない風景の中に残る“君”の面影と、消えきらない想いを描きます。
打ち上げ花火やラムネ、溶けたアイスなど、恋を彩る一瞬一瞬が、別れの後には痛みへと変わる。
「またね」も言えずすれ違った心、「夢じゃないよね?」と問いかける孤独な夜。
現実に追いつけず、感情の波にただ飲まれていく主人公の心情が、繊細な言葉で綴られています。
“恋の亡暮霊”というワードが象徴するのは、終わった恋の中に残り続ける「記憶の亡霊」。
もう戻れないと知りながらも、心のどこかで“君”を追いかけてしまう。
来年の夏は別の誰かと…そう願っても、胸の奥ではまだ“君”を想ってしまう矛盾。
江ノ島の風景とリンクするノスタルジックなメロディに乗せて、誰しもが経験した“ひと夏の終わり”をリアルに描いた一曲。
失恋だけではなく、時間の残酷さや、忘れられない記憶との向き合い方にも優しく寄り添う楽曲です。
この曲を聴き終えた時、きっとあなたの中にも“あの夏”がよみがえるでしょう。