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ケアマネジャー&シンガーソングライターである宇山基道が発信する、『介護をめぐる作品』の第二弾。
認知症の方の行動には、例えば家を離れ施設や病院で過ごした際に、その方が『家へ帰りたい』と訴える場面があります。
我々介護職の側からは、それらを『帰宅要求』・『帰宅願望』などと言い、都度ご本人へ説明をし、話を聞く、一緒にしばらく行動に寄り添う。そして、出来れば納得してもらいたいが、難しければ、なだめる・気をそらすなど、様々な対応をとっているのが現状です。
ただ、時にその声掛けで納得されず激高される方や、それでも強引に建物から出ていこうとする方がいらっしゃいます。本来、ご自身の病状を理解されていない方にとっては、施設や病院での生活は確かに『不自然なこと』。
しかし、これらの帰宅要求は、ご家族と過ごしている自宅でも起こることがあります。ご家族は戸惑います・・・『ここは貴方の家じゃないか・・・』。だけど、その方がその時描いている『家』は、今住んでいる家ではなく、時にご自身が若かりし頃、子育てして過ごした以前の家、また生まれ育った実家であったりもします。
つまり、『帰りたい』の一言の中には、時代を超えた風景がご本人の脳裏に広がっている可能性があるのです。
残念な事に、それらの行動が時に徘徊を生み家族にも負担が生じる事があり。施設・病院などの場合は、様々な手続きを踏みながら、ご本人を危険から守るため『身体拘束』などの手段を取らざるを得ない場合もあります。
さらにご本人は混乱します。
なぜ、体も悪くない自分がこんな所で移動を制限され、体の動きを制限されるのか・・・?
もう夕焼けが見える・・・、私は子供たちにご飯を作らなければいけない・・・、早く帰して・・・。
その時、ひょっとしたらご家族がご本人に声をかけるかも知れません、『お母さん、貴方の帰りたい家はもう無くて、今はここで療養してくれ・・・』、『これ以上、家族を困らせないでくれ!』
ただ、ご本人がその時『家族』と認識しているのは、時に怒りや悲しみをもって自分に説明をしてくれる目の前の年を取った人ではなく、あの可愛くランドセルを揺らして家に帰ってくる、小さい子供たちなんだと・・・
自分が一番生き生きと、やりがいを持ち、そして家族と幸せに過ごした時間・・・。そこへ私を帰してくれ・・・
是非、その様な場面に遭遇したら、『その方』が描いている風景を、短い時間でも良いので、一緒に見てあげて欲しいんです。
東京の南100kmに浮かぶ島[伊豆大島]. シンガーソングライター宇山は,その島で生まれ育ち18年間を過ごす. 漁村生まれの環境下にあり,水産業の道を志し,大島の水産高校から静岡の水産大学へ. しかし,その志の裏には,抑えきれない音楽への夢を抱いていた.... 大学卒業後,島へ戻るはずが,彼が向かったのは東京.夢見ていた音楽への道を目指す. その後,松山千春.鈴木康博などアーティストのサポートギタリストとして活動をしながら,シンガーソングライターとしての活動も開始.作品の発表及び,全国各地精力的なライブを行う. またエッセイストとしてもエッセイの執筆.出版などを手がけ,様々な分野に活動の幅を広げる. 現在,山形県飯豊町にて暮らし,介護職(ケアマネジャー)として働きながら音楽と子育ての日々....
Camellia records