エチゾラムのジャケット写真

歌詞

エチゾラム

ヒズミ零

*薄暗いアクアリウムの中

*無に融けていたはずの私は ふいに意識の輪郭が明瞭になるのを感じた

*なんだか とても悪い夢を見ていたみたいだ

*ゆっくりと開かれた双眸の先に 朱が仄かに滲んだ藍錆の空が広がっている

*夕闇なのか暁闇なのか 分からない

*病室に掛けられたアナログ時計の針は ただ数字を指し示すだけ

*ぼんやりと靄のかかった頭で エチゾラムを呑み込んだ

嚮後 案じて、(きょうこう)

蕩蕩 求めて、(とうとう)

倥偬 離れて、(こうそう)

悄悄 息をする。(しょうしょう)

蕭条 堪えて、(しょうじょう)

荒寥 抑えて、(こうりょう)

懊悩 続けて、(おうのう)

洶洶 息をする。(きょうきょう)

*私だけしかいない病棟は沈黙を貫く

*その無音が 私が孤独であるという為体を徒(いたず)らに奏でている

*心を劈くその耳障りな静寂(しじま)を掻き消すように

*また エチゾラムを呑み込んだ

どうか かみさま わたしたちを

いまのままで いさせて

あしたのこと みらいのこと

なやまないで いたいよ

どうせいつか わたしたちは

しんでしまうのだから

せめて いきているあいだは

しあわせにすごしたいの

*身体の緊張が解れていく感覚

*深く深く意識の海へと沈んでいく安堵感

*それでも耳鳴りが止むことはない

*私はエチゾラムに伸ばした手を止め

*ヘッドホンを手に取ってみる

どうか神様 私たちを

今のままでいさせて

明日のこと 未来のこと

悩まないでいたいよ

どうせいつか私たちは

死んでしまうのだから

せめて生きている間は

幸せに過ごしたいの

私の未来がもし暗いとしても

*131(一切)の不安を無くせるわけではない

私は出来る限り泣かないでいたい

*しかしそれは特別な131(異彩)を放っていた

私の心が耐えられなくなるまで

*少しだけ 希望が見えた気がした

それまでは生きてたい 諦めない 前を向きたい

  • 作詞

    ヒズミ零

  • 作曲

    ヒズミ零

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