最後の電車に間に合えば「シンガーソングライターが本気出して映画のシナリオとサントラ書いてみた件」のジャケット写真

歌詞

平凡

齊藤ジョニー

古い写真に写る少女は

どれも唇を固く結んでいる

弟たちがはしゃぐ隣で

一人正座してこっちを見つめている

職人気質の不器用な父と

しっかり者でとても厳しい母の

間に生まれて誰より早く

大人にならなくてはいけなかった

時は流れて戦争が終わり

彼女は恋に落ちて結婚した

ボロ屋の前でふたりならんで

煤けた彼女の頬は

ほころんでいた

お正月降り積もる雪の中

肩を寄せあう二人のあいだに

新しい家族がふえていった

写真の数だけ 笑顔もふえた

やがて白黒がカラーになって

逆に彼女の髪は白黒になって

気づけばぷつりと彼女の夫は

写真に姿を見せなくなった

時代は平成 孫に恵まれ

賑やかな子供らの写真はふえて

彼女の写真は減っていった

彼女が自分でそれを望んだから

入学式の朝ランドセルを

背負った僕とまだ元気なおばあちゃん

もっと沢山あると思ってた

一緒に撮った

ツーショット

沢山の人を見送ってきた

時には弟や自分の娘も

みんなが口を揃えて言う

彼女ほどできた人はいないってさ

平凡さえたやすくはなかったろう

月並みさえ望む余裕もなかったろう

そんな彼女のありふれた人生と

ありふれた涙 ありふれた幸せ

僕は絶対忘れないと

それだけはちゃんとあなたに

伝えたい

  • 作詞

    齊藤ジョニー

  • 作曲

    齊藤ジョニー

最後の電車に間に合えば「シンガーソングライターが本気出して映画のシナリオとサントラ書いてみた件」のジャケット写真

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元Goosehouseの齊藤ジョニーが、グループの活動休止後、約5年に及ぶ空白期間を経てリリースしたニューアルバム。プロデュースは同じく元Goosehouseのd-iZe(楽曲制作にも参加)。シンガーソングライターの原点に立ち戻るかのように全曲ギターと歌のみの弾き語りで構成され、「架空の映画のサウンドトラック」というコンセプトをある種の隠れ蓑に、5年間抱えてきた葛藤や苦悩、自分自身の弱さにかつてないほど生々しい筆致で切り込んだ意欲作。なお配信版にはボーナストラックとして、アルバムリリースツアーでのみ披露された未発表曲「かたっぽだけの運命」を収録。

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