

書き足せないところまで歩いてみたの
綴り疲れた線を眺めた。
読み手の居ない言葉を
残してしまう呼吸さえ許して
「あのね、要らない思い出になったの」
手繰る指はまだふやけていて
波打つ開けない頁にただ
戻ってみたいと思えない。
終点に着いて、ひとりになったんだ。
染み込む靴も、汚れた裾も、
他人事だったんだ。
終わりがないような脈打つ心臓も
底知れなくて、だけど続いて、
明日もこうやって来るんだ。
空白を塗り潰せたら
こんな稚拙にならずに歩けたはずだろう。
塗りつぶしたら
取り止めのない話が残ったの。
友人の声、子供時代の落書き、あの頃の匂い、
母親の期待、普通だったあの子も、傷跡を見ないで、
過去の出来事が僕を引いていく。
滑らした足、水浸しの線路、巡らない意識、
つっかえた言葉、行きは片道、罫線の先、
今日の出来事、踏み外した。
水底まで還りたかった。
許されたらそれで良かった。
終わらせてしまうのが怖くなったの
詰まる。息継ぎを忘れたいのに
読み手の居ない言葉を
残してしまう呼吸でも
切れ端のような言葉を零した。
断ち切れないのに生きていたいんでしょう?
追い出す呼吸を沈められないから
せめて浅瀬で、許されたいのかな。
震える唇、吐き出す弱音は
舌に乗せれば嗚咽になったの。
それでも呼吸に委ねてしまうから
どうか、明日も、死にきれないままで。
- 作詞者
Kyiku
- 作曲者
Kyiku
- プロデューサー
Kyiku
- プログラミング
Kyiku

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水底までは還れない
Kyiku



