歌詞

「紛い物」そう言われたって

仕方ない

愛が分からない 私はずっと独りで

苦しいんだ 何もない 空っぽなんだ

見返りは要らない ただ

この歌を愛してほしい

雑多な毎日の濁流に溺れる

誰かを導く羅針盤になりたい

「芸術で人は救えない」

分かってる それでも

君の記憶の片隅にそっと残ればいい

御伽噺のように

暗い夜道 彩る星のように

割れた鏡の欠片に映る眸が

どんなに嘲笑っていても

この声が明日を生きる糧になるなら

私はもう 何も要らない

押し付けた善意が

君を縛らないように

正解のない問いを繰り返す

どうして涙が

溢れるのか分からない程

疲弊した心が痛い

臆病な自分に失望を重ねて

誰にも知られず呪いになって

息苦しささえ誤魔化した

「このまま消えてしまえ」

君の絶望の中にせめて

この火を灯せるのならば

宵の氷雨に 傘を差し出すように

優しい夢を見せて

例えそれが幻でもいいの

この刹那の感情は

宝箱にそっとしまうから

吸い込む息の憂鬱も

全部隠して笑う強さも

踏み躙っていいものなど一つもない

不用意な言葉で乱さないで

溢れる「好き」の声で満たして

独りでも生きていけるように

知らなくていい

理解されなくていい

この宝石は

私のために輝いている

ただそれを

失くさぬように

汚さぬように

愛していたい

見上げる月も太陽も

君の心を光で満たす

誰の手も届かなくても

同じ世界に

割れた鏡の欠片に映る眸が

私を突き刺しても

この声が明日も

君の道標になると信じて

歌うよ