世界構築のプロトコルは あの日から全て塗り替わり
避けようのない現実と 僕らは静かに距離を取る
はじめに、手と手がほどかれて 数ヶ月、体が触れることもなくなり
そして、声の届かないほど遠く、人々は離れていった
どれだけ言葉を選ぼうと 心の網目をすり抜けて
僕らの気持ちが揺れるのは 感情が目に見えないほど 細かく小さなものだから
そんな風に誰もが知っていたはずの 約束事はもう忘れられてしまった
だから人はみな、ただこの世界から孤立する
いまにも落ちてきそうなほど 高い建設途中のビルは
どれも工事が続いたまま姿を変えない
僕らの言葉はすべてスクリプトエラーでしかなくて
そうして世界は、緩やかに終わっていく
一時的な避難場所だと定めたこの狭い穴ぐらが
終の住処に成り果てるまでの永い時間
何もできず、正しくは何をしようともせず
僕らは全てを眺めているだけだった
味気ない画面越しで
脈拍も体温も 風邪気味の声も
自分自身以外は、触れることない幻で
そのどれも すぐそばに 思い出せる日が
遠くなっていく ずっと遠く、遠くなっていく
- 作詞
宏川 露之
- 作曲
ein himinn
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- ⚫︎
世界構築のプロトコル
ユキニフル
- 2
スピーカーノート
ユキニフル
- 3
廃墟暮らし
ユキニフル
- 4
みらい
ユキニフル
- 5
一夜分の命に
ユキニフル
- 6
告白
ユキニフル
「─君がくれた言葉が 僕の中で生きて ようやく返す番だ」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album後編。
物語は前編の10年後から始まる。施設での惨劇から生き延びてしまったソウヤは、虚しく無価値な日常を過ごしていた。そんなある日、 <スマイル・オン・フリーデッド>を名乗る団体が現れ、世界に向けてある宣言を発信する。その団体の代表と名乗る女性の姿には見覚えがあり──。
物語と連動する楽曲には、世界が形を変えていく瞬間を切り取った叙事詩『世界構築のプロトコル』、無責任な<生の肯定>に対するアンチテーゼを謳う『廃墟暮らし』、変わりきった未来で一人さまよう少女の運命を辿る『みらい』、物語の終わりに、少年が少女に想いを告げる『告白』など、全6曲を収録。
「どうか生きて」と告げられた、その先を描いた一作。
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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